読書感想:エロ漫画の悪役に転生した俺が、寝取らなくても幸せになる方法

 

 

 さて、最近のラノベと言うのは悪役転生ものがとても流行している訳であるが、特にラブコメにおいては悪役に転生し、平穏に生きていこうとしたけれど何故か好かれてしまう、という展開に必要な根底として、本来の主人公が割と下種、という要素が多かったりする気がするのは私だけだろうか。さてさて、何故そういう要素付けをされたりするのだろう? 寝取り、というのがニッチなジャンル、であるからこそ寝取る、という行為に正統性を持たせて真っ直ぐなラブコメという方向性にする為なのだろうか。

 

 

さてそんな前置きから大体察していただけたかと思うがこの作品は、タイトルの通りの作品である。アニメからゲーム、漫画に至るまで様々な世界に転生して始まる悪役転生もののラブコメで。今作品においては寝取りものの竿役、晃生として転生していた、と気づくところから始まるのだ。

 

「今までの分は仕方ないとして、これからはまっとうに生きようじゃないか」

 

晃生の本来の性分、それは下半身で生きると言う行為を忠実に実行したようなもの。いわば最低なジャイアン、とでもいうべきか。しかし転生時は、竿役としてかなりの戦績は持っていたがまだ寝取りと言う行為に手を出す少し前。まだ軌道修正できる、いわば若い元気な肉体を得たようなもの、と思い直し。一先ず真っ当に生きていくことを決意する。

 

「・・・・・・話くらいなら聞くぞ」

 

・・・・・・が。一先ず情報収集を、と動いていたら泣いている少女、原作主人公の純平の幼馴染にして彼女であり本来のストーリーにおいては後に寝取る日葵(表紙)に遭遇し、傷ついている彼女に半ば強引にラブホに連れ込まれ。話を聞いてみれば、どうも純平との初体験に、緊張しすぎた彼から拒否されたという事で。半ばやけっぱちになっている彼女を必死に止め。ここから全ては、動き始める。

 

「晃生くんは優しくなろうとしているんだね」

 

そも、晃生という人間は寝取りの竿役、という役付けだから最低と言う人間性を付与されている、ともいえる。そこを普通の人間性に置きかけてしまえば、残るのは雄として圧倒的に魅力的な個性だ。彼の優しさに日葵が惹かれ始め、純平と別れ。更には隣の席の純情ギャル、羽彩も惹きつけ始めて。彼との性行為に惹かれた年上女子大生、エリカに応援されたりしつつ。 原作との乖離に頭を抱えたりしつつ、最悪な所まではいっていないもその一歩手前くらいまではいってる評判で遠巻きにされたりしながら。それでもひたむきに生きていく中、少しずつ彼の人間性は、見直され始めていく。

 

しかし忘れてはいけない登場人物が一人。本来の主人公である純平である。晃生にこっそり応援されている、という事を知らぬままに頑張ろうとするも、段々メッキがはがれるようにそのダメで下種気味な人間性が出始め、より日葵を遠ざける結果となり。あげく、逆恨みに発展し、クラスメイトを巻き込んで晃生を嵌めようとして。だが、それまでに築き上げてきた行いが、その計画を無に帰させて。

 

「・・・・・・それぞれの人生だ。俺も、好きにやらせてもらうぜ」

 

 

夢で遭遇した本来の晃生にも、まぁ頑張れやと背を押されて。晃生として改めて決意する。青春を謳歌する、という事を。好きに生きていくという事を。これより始まるのは新たな物語。ヒロイン達を寝取る、のではなく幸せにするための道なのだ。

 

 

悪役転生もののラブコメとして、王道の面白さを持っているこの作品。奇をてらわぬ面白さを見てみたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

 

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