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さて、前巻で、主君であるアルテシアを救う為に過去へと回帰したこの作品の主人公、カルツである。まず一つ目の公爵家を傀儡にする事には成功したわけであるが、立ち止まっていられるかと言われると、無論そんな事はない。カルツには色々なやるべき事がある。まず初めに公爵家にも負けないくらいに自身の力を高めなければならないし、アルテシアを蝕む病気、もとい呪詛を打ち破るための方法も見つけなければならない。どんどんと動いていくしかないのだ。
そして今生においては、主君であるアルテシアの傍に仕えるという事は出来ない。それは過去の焼き直しに過ぎなくなってしまうから。だから今生では離れて。それでも動かねばならないのだ。
「あなたの力を貸してもらえるだろうか」
まず手始めにやるべきこと。それは前巻で手に入れた「賢者の石」の眠る領地であり、人間が住むには適さない土地、フェルムンド。アルテシアの制御できぬ動き、「異族狩り」の象徴とも呼べる亜人にとっては禁忌の地。 新たな仲間として招聘したのは、フェイユの祖父であり歴史の生き証人でもあるトラキア。
次に取り込む事になるのは、火山に眠る竜王を信仰する古き価値観を守る竜人の代表、ファルセン。かつての人生、友誼を結ぶもその手を繋ぐことはついぞ出来なかった相手。
「―――僕が、君たちの『夢』が現実になる瞬間を見せてあげよう」
だけど今生は違う、まだ間に合う。 竜人たちにより領地の開拓が進み、宝石の鉱脈も見つかる中、礼とでも言わんばかりにカルツが探し出してきたのは、ファルセンたちの種族の「夢」。かつて彼らが守ってきた火山、「竜王の墓場」。だけどそれは墓場ではない。その奥にあった夢の証。それを入手し、ファルセンと改めて友人になる事に。
ここに今回大切なピースがすべてそろった。では今巻の最適解、新たな公爵家の攻略を始めよう。採掘した宝石、その皇室御用達の看板を得るために接触するのは、聖女を有するサンクトゥス公爵家。未来の世界においては、聖罰と呼ばれる贋金事件に関わり合いのある相手。
切り札になるのは、聖女の持つ聖杯に触れられる人物、本来の持ち主。公的にはもう死んだ筈の本物の聖女、リーネ。 偽物の聖女に接触し罠にかけ、その力を奪って。
「だから・・・・・・僕も君が死ぬまで眺め続けようじゃないか」
そして事態の黒幕、アルテシアの仇の一人へと繰り出すのは怠惰な罰。決して救われなかった主の意趣返し、とでも言わんかのごとき罰なのだ。
より世界観深まり本格的に進みだす今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
やがて黒幕へと至る最適解 2 (HJ文庫 ふ 08-06-02) | 藤木わしろ, ne-on |本 | 通販 | Amazon