
さて、最近は放映されなくなってしまったが、かつて放送されていた番組、よゐこの無人島生活、という企画を皆様はご存じだろうか? 正直、今思うとかの企画、レギュラー二人のスペックが何気にとんでもない事になっていたからこそ成り立っていた企画な気もする。普通の人間は極寒の海に飛び込んで銛突きなんて多分すぐにはできないし、海岸に漂着していたものをDIYして家具やらなんやら作って拠点づくり、なんて多分出来ないであろう。
さてまぁそんな話題はさておき、この作品においては子供達が強制的に無人島生活をする訳で。その中で、まるで本能に突き動かされるかのようにハーレムしていくお話なのだ。
ごく普通の少年、創助。ある日彼は夢を見た。それは自分のクラスの面々が教室に集っているものの、黒板には「無人島に何か一つ持っていくなら?」という謎の文言が書かれているだけ。妙にリアル、故に奇妙。
「現実にあるもの、という縛りが質問内にないんだから、ありだろ」
級友達が思い思い、雑談交じりに応えていく中、創助が表現の穴を突くとばかりに選んだのは、「クラフト能力」という曖昧なもの。それを聞き、幼馴染みの千癒(表紙)は治癒魔法を選び。全員分の答えが揃った途端、転送が始まって。気が付けば創助は千癒と共に無人島、と思しき場所へと転移していた。
「いや、この能力があると、つい色々作りたくなっちゃってな」
一先ず千癒と共に探索を始め、自身の選んだ「クラフト能力」の詳細を確かめると、大地から切り離していれば素材として確保できて、本人の理解とイメージ力次第でクラフトできるものが増えていくという、割と便利な能力。まずは飲み水を確保、意外と歩きやすい島の中を探索しながら崖の下に拠点を作り、ドラム缶風呂的なお風呂まで用意して。割と快適な無人島生活が始まる。
更に始まるのは、誰もの視線が無いからか、千癒が自分の好きと言う思いを曝け出し大胆になる展開。そこへ創助を探して合流してきたのは、仲の良いギャルの召子とその友人である詩音。仲間に加わり判明していくのは、実はこのチーム、結構な当たり能力の集まりという事で。
クラフト能力持ちの創助、治癒魔法使いの千癒。更に召子はもふもふ召喚能力でフェンリルから羊まで様々な動物を召喚可能、詩音は嘘が分かるというスキル持ちで、料理関連に力を発揮して。
「・・・・・・別に、そうくんが無人島でハーレムを築く分には構わない」
そして、その中心にいるのは創助で。いつの間にか、まるで極限的な状況で求めあうかのように。属性魔法使いの委員長、深法も獣から助けられて仲間に加わり。彼女達といつの間にか惹かれ合い、ハーレムを形成していくのである。
クラフト能力により生み出せるのは化粧品から食材まで。更に何度も現れる謎黒板から教えられるのは妙な話。どうもこの無人島、上位存在的なものが娯楽のために用意した舞台で、アンケートに基づきものが増えていく、ということ。 そして現実世界への帰還、現実世界への引継ぎも条件を満たせば可能だが、自死を選んだり殺人をすれば重めのペナルティがあるという事。
そして齎されるのはイベントのお知らせ。それはきっと、争いの元になる筈で。
ダッシュエックス文庫らしくエロにど真ん中な中で、割とお気楽にスローライフしていくこの作品。そういった作品が好きな読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: 異世界ラクラク無人島ライフ ~クラス転移でクラフト能力を選んだ俺だけが、美少女たちとスローライフを送れるっぽい~ (ダッシュエックス文庫) : 神津 穂民, ぎうにう: 本