前巻感想はこちら↓
読書感想:私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻を読まれた読者様ならお分かりであろう。この作品の主人公、千秋とその双子の妹である楓の恋は中々におかしいものだと。平たく言えば大きなイチモツが生えた妹が好き、女の子になった兄が好き。うん、文章にしてみるとどういうことなの、と頭を抱えたくなってしまう、そんな恋。だけど確かにそれは初恋であり。忘れられぬもの、となるのだ。
そう、切り替えるべき。というか基本的に双子の妹と付き合ったりしたら、アウトってなもんである。今のオタクな皆様に通じるかは知らぬがヨスガノソラな事態である。しかしそんな初恋が今巻も大騒ぎ、余計にカオスにしていくのである。
「私のこと、好きなんでしょう?」
前巻の騒動後、とりあえず楓は元に戻り千秋は今の彼女に恋心はないと言うも楓の言に惑わされ、楓の方も千秋の挑発に惑わされそうに。まるで喧嘩の様に激突する中で。
「遊びはこのあたりで切り上げましょう」
「奪い返しているんです・・・・・・きみの心を・・・・・・」
千秋は宣言通り、新たな恋を見つけ青春を謳歌しようとする。しかし、ちょっとしたハーレムごっこをしていたら楓が邪魔しに来て、夕子の実験に付き合っていたらいっそアクロバティックな方法で部屋までやってきて。 恋を見付けようとするたび、彼女は邪魔しに現れる。
「きみに! 恋なんてさせたくないんです!」
何故か。それは彼女の中、恋心がまだ燃え盛っているから。恋なんてさせぬ、自分だけ見ろ、自分とだけ恋をしろ、と独占欲を主張してきて。そんな彼女にまた、大きなイチモツが生えてくる。
その原因は、千秋。彼の行動を浮気と認定していたからこそストレスがかかり、結果として再発してしまったと言う事。一先ず治療のためにデータを集めることにし、二人で一日だけの両想いとなり、学校もサボって。だけど外にデートに行ったら運悪くメイと遭遇し。結果として彼女も楓の秘密を知ってしまう事となる。
当然どうなるのか、というと。巻き起こるのはメイと楓の激突。千秋を手に入れるのはどちらか、という激しい舌戦の間に挟まれ、千秋が現状好きな相手の名前を叫んで。
「実は、わたしもなんだ」
その先に、再び恋を巡って楓とある種ぶつかり合う事を選んだ先に。意外な相手が千秋の恋人候補に名乗りを上げてくるのである。
ヒロインが出そろい、混沌が最早止まらなくなる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: 私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない(2) (電撃文庫) : 伏見 つかさ, かんざき ひろ: 本