読書感想:組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でラブラブ夫婦ないちゃいちゃをこれでもかと見せつけてきた狼士と律花であるが。こんな激甘ラブラブ夫婦になるまでには、それなりの道があった、というのは画面の前の読者の皆様もお察しであろう。そもそも最初は宿敵同士、つまり敵同士なので好感度もマイナスまっしぐらであるし。ではそんな二人はどうやって恋人、そこから発展して夫婦になっていったのか。そんななれそめを描いていくのが今巻なのである。

 

 

「何らかの任務か?」

 

組織解散後、二人の再会は数年後。場末の合コン会場で。女性恐怖症な大学の友人、令一に誘われ参加した合コン会場で再会し。全く相手の事を知らなかった中、初めて相手が年下という事を知り。いつもの如く殺しあおうとする中、同じ合コンに参加していた律花の親友、芳乃に制止され決着をつけるならバトル以外でつけろ、と怒られて。やむを得ず二人で、芳乃から渡されたクーポンの使い先であるボウリング場へと向かう事に。

 

「あなたって、意外と面白くて優しいところあるんだね」

 

それは初めての、殺気の伴わぬ、殺し合いではない勝負。ボウリング場にいけば、そもそもルールも知らぬ律花に振り回され、展望台の鳴らぬ鐘を鳴らしに行けば、人助けで初めての共同戦線を取ることになったり。律花は宿敵であった狼士の意外と面倒見がよくて面白い一面を知り。狼士は宿敵であった律花の、普通の等身大の少女らしい可愛らしい一面を知り。気が付けば恋が生まれていく。殺意よりも先に、人間として当たり前の感情が育っていく。

 

しかしそこに、二人の仲を邪魔する影が。ご存じ兄さん、虎地である。過去の時間軸においても当然シスコン、二人のデートに躊躇いなくついてきたり。しかし、自分達と狼士は違う、特に律花は違うと言う事実を真面目な顔で突き付けて来て。二人は一緒に居れぬと断言してきて、狼士の心は盛大に揺らされる事となって。

 

そんな中、発生するのは狼士と律花、それぞれの友人の誘拐事件。それぞれ動いて駆けつけたら、監禁場所でばったり鉢合わせ。 一人でやるよりもと協力し、あっという間に制圧して。しかしその先、意外な黒幕により狼士と律花は再び、命を懸けた激突をする事になってしまう。

 

「お前は―――大したことなんてないんだ」

 

そんな中で伝えたいと叫ぶのは、狼士の本当の思い。勝つ、のではなく勝とうが負けようが、という初めての気持ちで。他人と違う事なんてないと、彼女に勝てる彼だからこその伝えたい気持ちで。いっそ恥ずかしい程の熱量で伝えて、二人の関係が変わるのである。

 

二人のなれそめが描かれる、甘さに繋がるラブコメが堪らぬ今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: 組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い2 (電撃文庫) : 有象利路, 林けゐ: 本