読書感想:仲間を守って死んだら二十年後の同じ世界に生まれ変わった件……でも俺、転生二回目なんだけど?

 

 さて、転生と言う概念は最近のラノベではもはや当たり前、であるのだが。転生した場合、大抵の場合は異世界、もしくは現実世界によく似た並行世界、である事は多いであろう。ここでふと、考えてみると。何故同じ世界へ転生、したりしないのだろうか? その理由は推察するしかないが、もしかすると同じ世界に転生すると人間関係はリセットされず、引き継ぐ可能性がある、というのが物語を作る時に影響する、のかもしれない。

 

 

と言う訳でこの作品は珍しく、現実世界→異世界→(同)異世界、という二度の転生を経る作品であり。思いを残していたかつての仲間達に激列に愛されるお話であるのだ。

 

「そろそろか・・・・・・それじゃあなみんな」

 

 

中世ヨーロッパ、くらいに見えて実は技術レベルは発展している異世界へ、男爵家三男として転生した、トワ。勇者も魔王も異種族も存在するこの世界で、ひょんな事から加わった勇者パーティーで戦い抜き、最後は仲間を庇い死んで。パーティーのまとめ役、鎹的な存在として伝説となって。

 

「トワはどうだ?」

 

その十年後、彼は同じ世界へ転生する。しかしいきなり捨てられるというハードモード、そこで助けてくれたのはヴァンパイアクイーンであるアストレフィア(表紙右上)。その可愛さに母性が芽生えた彼女の息子、になることになり。英雄の名前、として同じ名前を貰い十年。奇しくもかつての容姿と似たようなものに成長しつつある彼は、アストレフィアと共に最初の始まりの地、王都へと引っ越してきた。

 

トワは思う、この王都で暮らすかつての仲間達を。今は王となった勇者アリオス、その妻となった姫、リリーナの事。そして自分と仲の良かったハイエルフ、セレン(表紙右下)とサキュバスリリス(表紙左上)の事を。そして再会の時は直ぐに来る。まずはリリスと再会、彼女の職場である魔法学院を案内してもらい。続けてセレンと再会し、彼女の職場である魔法研究所を案内してもらう事に。

 

「トワさん・・・・・・なんですか?」

 

「トワ・・・・・・なの?」

 

さて、勿論のことであるがトワは正体を明かすつもりはなかった。明かしたところで信じてもらえぬかもしれないから。 だが、偶々手に取った魔道具、壊れていたはずの、魔力を流し込んだ者の過去を体験できる魔道具が突如起動、前世の光景すらも映し出して。リリスとセレンは確信する。彼こそトワ、自分達が恋焦がれた相手であるという事を。

 

「私のことももらってくれないか?」

 

でもここで疑問に思わぬだろうか、信じるのは早くないか、と。しかしそこには理由がある。エルフ、サキュバス、ヴァンパイアの三種族に発現する事のある、運命の相手とあらゆる運命を繋ぐという現象。それがリリスとセレンに起きていたからこそ、すぐに分かった。が、何の因果かそれは義母であるアストレフィアにも発現しており。愛が重い三人に囲まれ溺愛される生活が始まるのである。

 

みょん先生らしいハーレムが始まる、愛されまくりな甘さのあるこの作品。甘々で溺れたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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