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読書感想:サベージファングお嬢様 史上最強の傭兵は史上最凶の暴虐令嬢となって二度目の世界を無双する - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、この作品の主人公、ミレーヌはその身の中に本物のミレーヌの魂ではなく、未来の世界で死した傭兵、エンヴィルの魂を宿している、というのは前巻を読まれた読者様であればもうご存じであろう。今までの傍若無人から一転、粗野な言葉を用い貴族令嬢らしくもなく、けれど荒々しい輝きを以て。かつて墜とした王子、アルベールや敵対した皇女、コレットすらも魅了し。早くも一周目とは違う世界を創り出している彼女は、これからどうしていくのだろうか。
先日の一件から、更に力を求めるアルベールとコレットに稽古をつけ。先日の一件を人質に強引に部屋割りを替えさせ同室となったコレットに振り回され。更には彼女に嫉妬するアルベールの勇気ある暴走にキレ、更に厳しい稽古を課したり。
「全く覚えがありません・・・・・・とは言えませんわね。入学してすぐはお転婆をさせていただいていたので」
そんな日々の中、ミレーヌは遠目から自身を監視する一人の少女の目に気付く。彼女の名はメリッサ。「イルタニアの巫女」として信仰を集める少女であり、かつての世界に於いては暴君だったミレーヌに最後まで抗い、処刑された女傑である。
何故監視してくるのか分からぬ、けれど日々を重なるうちに距離が詰まり。ある日、アクシデントを切っ掛けに彼女に密着し。メリッサに核心と共に告げられたのは確かな違和感。かつてとは似ても似つかぬ「ミレーヌ」という存在への懐疑。
その真意を測る間もなく、ミレーヌ達の通う学校は伝統行事である「至賢祭」の時を迎え。クラス単位で模擬店を開催し店と客になりきるという趣旨が説明される中、ミレーヌの提案により「カフェ」を開く事となる。
その準備に励む中、メリッサから告げられた監視の真実。ミレーヌ自身こそが、世界に調和を齎す事になると言う予言。その預言の道筋を辿るかのように、祭りの場を狙い新たなる狂信者が迫り来る。
「完ッ全にキレてんだよ、俺はなァ!」
大量殺人者でもある劇作家、ヴィクトーが設えた悪趣味に過ぎる舞台。安っぽい、唾棄すべき脚本を前に完全にキレたミレーヌが開放するのは新たなる力。
前巻にも増して熱く、そして激しい死闘が繰り広げられ。敵組織との激闘が、本当の意味で始まる今巻。
前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
サベージファングお嬢様2 史上最強の傭兵は史上最凶の暴虐令嬢となって二度目の世界を無双する (ファンタジア文庫) | 赤石 赫々, かやはら |本 | 通販 | Amazon