読書感想:経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。短編集 青春回想録

 

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読書感想:経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。その7 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で龍斗と月愛の元に舞い込んできた、友人からの衝撃的な知らせのその先はどうなったのか、という興味はさておき。今巻は小休止、箸休め。ドラゴンマガジンに掲載されていた短編を纏めた短編集である。

 

 

さて、画面の前の読者の皆様はドラゴンマガジンに掲載される短編がどんなものか、はご存じだろうか。かの雑誌に掲載される短編は、本編中のサイドストーリー、だったりする事が多いのだが。割と気風に関しては自由であり、シリアスな作品であってもドラマガに掲載される短編ではコメディに振っていたりする訳で。そういう意味においてはこの作品も割とコメディ、そしていつもは見たことのないシチュエーションに振っているのである。

 

「最初だから、注意だけしたよ」

 

そんなシチュエーションの短編は、最初に一つ。何故か龍斗が大人になっていて、しかも何故か母校が女子校になっていて、そこの教師になっていて。月愛に始まり、笑琉や朱璃たちいつものギャル組に振り回されたりする中、こっちの世界でも恋に悩む月愛に担任として向き合ったり、痴漢に悩まされる海愛のボディーガードを務めたり。そんな日々の中で元の世界の様に、姉妹から好かれていったり。

 

サバゲーの面々も誘って、釣りに行って、ちょっとセンチメンタルな気分になったり。ハロウィンにギャル組がお菓子を作ろうとしたら、一部フィーリングで作ってしまって大失敗したり。学園祭で彼が二年連続でビンタをくらう羽目になったり。

 

いつもとは違う日常があったり、今までは語られてこなかったふとした日常があったり。 色々様々、十人十色。そんな様々な輝きの中、そこにあるのは皆の思い。まだちょっと初々しい龍斗と海愛だったり、まだ恋に発展しない各人の関係であったり。

 

そんな日々が合って、七巻の時点で培われた関係があるのであって。今、振り返るからこそ次巻の本編が楽しみになってくるのである。

 

短編集と言う事でいつもとは毛色の違うドタバタがあったり、初々しいラブコメがあったり、基本的には迷走する青春が繰り広げられたりする今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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