読書感想:16年間魔法が使えず落ちこぼれだった俺が、科学者だった前世を思い出して異世界無双

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 さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は魔法というものを一体どのように思われているであろうか。物理法則を覆し物理法則において解明できない現象を自由に起こせるもの。そんな印象を抱かれている読者様が多いかもしれない。では、こうは思われた事は無いであろうか? 時空魔法のような魔法も、水魔法のようなよくある魔法も、よくよく考えてみれば普通に現実にもあるものではないか。ならば、魔法に科学を応用できれば、もっと凄い力が得られるのではないだろうか? と。

 

 

「賢者の孫」シリーズや「TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す」シリーズ等でも触れられている、そういった展開。そこに焦点を当て、魔法が普通に存在する世界に科学を持ち込んでいくのがこの作品なのである。

 

 この作品の主人公、ロニー(表紙中央)。彼は貴族の家に長男として生まれた存在でありながら、何故か魔法が使えず疎まれる存在だった。が、しかし。十六歳の誕生日を迎えた時、ひょんな事から頭に怪我を負い。その瞬間、彼の中で何かが弾け、彼は突然にして前世の記憶を思い出す。

 

その前世とは、自分が科学者であったという事。科学を追及していた、けれど前世の世界に魔法は無かった。前世の記憶を思い出した今、この世界は探求対象だらけの魅惑の楽園。今までの鬱々とした性格からは一転、好奇心のままに彼は、弟である天才、ヨハン(表紙右)とお付きの新人メイド、カーラ(表紙左)を巻き込み時に引き連れ、魔法についての探究を開始していく。

 

 そんなある日、近所にあった祠の中。ロニーは自身にしか見えぬ存在。セイリュウと名乗る蛇のような、精霊と呼ばれる存在と出会い、親交を得る。

 

精霊は言う。ロニーの中には、バケモノが如き魔力が存在している。魔法が使えないのは魔力を出す出口が無いだけ。自分であれば君に協力する事が出来る、そうすれば魔法をキミも使えるようになると。

 

 セイリュウの頼みに応じ、彼(?)の望むものを持ってきて。約束通り、彼(?)はロニーに魔法の力を授け、バケモノと呼ばれたその力はとんでもない力をいきなり発揮する。

 

「もっと正確に言えば、私の元に来る気はないか、だな」

 

その力、そして科学者と言う観点からこそ見出せた魔法に対しての視点。今までとは打って変わって、彼は注目を集める存在となっていき、最強の魔法使いの一人、ダミアン(表紙右上)から誘いを受ける程の存在となり。

 

果たして、探求心のままに。そんな彼はどんな選択肢を選ぶのだろうか?

 

一風変わったファンタジーが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。