読書感想:無自覚の最強薬師、Vtuber異世界攻略をモフモフ犬と回復薬密売プレイで無双する

 

 さて、異世界においてよくあるポーション、回復薬というもの。あれってどういう味なのか、と気になられた読者様もおられるかもしれぬ。例えばSAOのポーションは苦みのあるレモンジュース、らしいのだが。異世界ものにおいて回復薬というのは如何なる扱いをされる事が多いであろうか。緊急時に頼る、ようなものという扱いを受けてはいないだろうか。

 

 

さて、そんな普通にあるのが基本、な回復薬であるが。この作品の世界においてはなんと、存在していない。という事はどういう事か。命の価値が軽いくせに、更に失いやすいというとてつもなくくそったれな世界という事で。そんな世界を期せずして作ってしまったおじさん、友人(表紙中央)が何故か簡単に生み出せた回復薬を世に広めていく物語である。

 

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妄想の世界を小説にし、小説家として取り組むもデビュー作は一作で打ち切り。何とか、世界初のフルダイブ型ゲーム、「エルダーフロンティア」のシナリオライターとしての職を得た友人。だが先行体験会、数多のゲーマーやVtuberが集められたそこで、運営を名乗る気障な男は言う。これからお前達が送り込まれるのは、エルダーフロンティアをモデルにした本物の異世界である、と。

 

「―――チュートリアルはあるのか?」

 

巻き起こる混乱の中、動かなかった事で運営に目を付けられ。何とか口を開き聞いたら運営に、積極性があると気に入られ。説明を引き出し異世界へ。

 

「自分の書いた設定に苦しめられる、自業自得すぎる・・・・・・」

 

到着したのは良かった、のだが。始まりの地は七大卑怯の一つ、世界樹林。更に職業は世界の最大宗教、十二神教から迫害された、縛りプレイ向けのクソ雑魚職業、「薬師」というクソぶりで。

 

「全部だ! 全部欲しい!」

 

一先ず頭の中のチュートリアルの声を参考に、付与されていたスキル、「毒手」を鍛え始める中。遭遇したのは騎士らしき者達が連れていた犬が痛めつけられている場面。放っておけず介入、騎士たちの攻撃を受け止め続けた中、生み出した毒沼が百足型の強力な魔物を誘引。命の危機、立ち向かう事を選んだ先に目覚めるスキルツリー。

 

 

「我々は―――”夫婦”だったらしいね・・・・・・」

 

「今会ったばかりだろ」

 

何とか乗り切り夢の中。話しかけてきたのはチュートリアルの声の主、エルマ(表紙上)と名乗る謎の女性。何故か気に入られ戻った現実世界、出会うのはテディベアに似た熊がウッドゴブリンという弱小モンスターに襲われている光景。

 

「・・・・・・本当に俺のゴブリン達なのか?」

 

ここから、友人の中に違和感が生まれ始める。どうもこのゴブリン、己の設定と何か違う。熊たちの村を救い、先んじて救うために来ていたVtuber兄妹、セツナ(表紙左右)とレイ(表紙左)が乗り込んだゴブリンの巣へ乗り込めば、そこには魔族が潜んでいて。

 

「この世界―――回復薬がないんす」

 

「―――問い合わせだ」

 

何とか魔族を討伐、その後に聞いたのはこの世界、回復薬が禁忌とされていて、そのせいでこの世界に引き込まれた者達が冒険に躊躇しているという事。何故か脳裏に響く自分の声、それは自分自身が設定で回復薬を禁じた、という事実。責任を取る為に挑む、運営との対話へ。

 

「そっちの方が面白い」

 

人外と見込んだ運営に感じる、創作者、己と同じ空気。その方が面白くなるから、と説き伏せ回復薬の密売を宣言し。

 

「ここからが本当の異世界攻略だ」

 

魅せてくれ、と期待してくる運営に突き付ける挑戦。このくそったれな世界をゲーム、エンタメに変える為。一人、「厄」として挑んでいくのである

 

ヤバい女とカジュアルな悪辣さの中におっさんの活躍が光るこの作品。しば犬部隊先生の作品が好きな方、これから触れたいという方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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