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読書感想:極東救世主伝説 少年、異形の機体で無双する。 ―九州大規模攻勢編― - 読樹庵
さて、地を往く悪魔と魔物の大軍勢、それを迎え撃つは夢を叶えた変態というとんでもなく心躍る戦場を見せてくれた今作品であるが。啓太は確かに多大な戦果を上げはしたが、彼自身は一人の操縦士候補生に過ぎず更には後ろ盾の力も、政治闘争で絶対的な強者という訳でもない。そしてまぁロボットものだと往々にしてある事態なのだが、政治闘争だの何だのやっている状況ではないのにやっている、という訳で。今巻ではそういう方向の面倒事に巻き込まれていくのだ。
「私たちに必要なのは経験なのよ。それも圧倒的な、言い訳のしようもない完全な敗北の経験」
前巻の戦い、九州大規模攻勢の後に学校へ戻った啓太を待っていたのはやにわに高まった注目の目。戦闘データを得るべく級友である翔子と那奈が挑んでくるも、二人纏めてぶっ飛ばしたりと無自覚に煽ったりしながら無双しつつ。だが彼を待っている厄介事はすぐそばまで来ていた。
それは最上重工業を敵対視する財閥の連中と、第三師団閥の連中による特務。機士にとっては不要な装備、強化外骨格、いわばパワードスーツを開発せよと言うもの。どう考えても啓太の排除と最上重工業の排除を兼ねた嫌がらせ的な任務。
「やってやろうじゃねぇか」
しかし黒幕は気づいていなかった。変態的な機体を開発する事に命を燃やす馬鹿及び、前世の記憶を持つから故に頭のネジの外れた変態の怒りの深さを。きっちりと見返してやるべく、向かうのはソ連から独立するも他国の援助を継続して求めている、極東ロシア大公国。援助担当の最上重工業の護衛として、新型の強化外骨格「黒天」と共にかの地へと。
問題のある黒天の改善案を提案したりしつつも目的地に向かう中、目撃したのはその衛星都市が襲われている現場。下手に介入すれば国際問題、しかし公的な救難信号を拾えたことで戦場へと介入し。ここで一つ、幸運が訪れる。
「殺しにきたんだ。殺される覚悟だってあるだろ?」
『すごく・・・・・・やべぇな』
それは偶々救助したのが、大公の従兄弟の娘であったと言う幸運。しかも彼女は要救助者。つまり遠慮する必要はもはやなし。目撃した者達に「HENTAI」という印象を植え付けるほどに、どこぞの英国紳士が如きものっそいいい笑顔で暴れ回る。
「だが間に合った。状況は最悪ではない」
それに反比例して大変なのが、日本である。再びの九州大攻勢、敵戦力は前回の倍以上、だがこちらに啓太という切り札はなし。強力な鬼札を欠いた状況での奮戦を強いられ、何とか戦うも、大きな損害はやはり避けられず。
「さぁ、見せてもらおう。同盟国が英雄殿をどう扱うかを、な」
そうとは知らず、啓太は大公により騎士の位を送られて。日本でも、正式な評価を受けて位と正式な所属先を貰う事になり。 国の外まで異名を轟かせ、国の元首からも注目される事になっていくのだ。
前回とは違った熱さが魅せられる中、どんどん啓太が注目を集めていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
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