読書感想:親友の妹が官能小説のモデルになってくれるらしい2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:親友の妹が官能小説のモデルになってくれるらしい - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で清楚の裏側にあるド変態の顔を見せつけ、主人公である竜太郎をドン引きさせながら、彼の小説の為に一肌脱いで見せた鈴音であるが。そもよく考えてみて欲しい。鈴音が変態なのは言わずもがな、だがその兄である翔太も一歩間違えれば中々ヤバいレベルのシスコン、一種の変態と言っても差し支えないのではないだろうか。と、いう訳で。鈴音だけが変態ではないと明かされ、より変態に染まっていくのが今巻なのである。

 

 

「こののんくん、これがママのお仕事だよ」

 

前巻の騒動の中で結果的に翔太が悟りを開いてしまって、良いのか悪いのか。それはともかく初めての打ち合わせに向かった竜太郎の前に現れたのは、兄妹の母親である鈴葉。動けば動くだけ、水無月家とのかかわりが濃くなっていくと言う状況に竜太郎が戦慄する中、鈴葉は新たなレベルアップとして、三つの背徳感を身に着ける事を提案する。

 

性的に見てはいけない人間を性的に見てしまう、好きな人を裏切って別の人と親密になる、誰かの大切な人を奪い取る。その背徳感を身に着ける為、今度は鈴音は妹となる事になり。勉強の名目で公式を素肌に筆で書いてみたり、セーラー服を脱がすという事がどういうことかを知る為に。竜太郎の妹の部屋からセーラー服を盗み出すと言うミッションに挑んでみたり。家族まで巻き込み更に変態性を加速させていく中、鈴音と鈴葉、更には翔太も連れて鈴葉の提案により、背徳感を知る為に一泊二日の合宿に臨むことになる。

 

「だったら、私で鈴音ちゃん以上に興奮しちゃったらダメよね?」

 

更に、変態なのは鈴音だけではないと言わんばかりに。鈴葉もまた制服を纏い、娘にも勝るほどの変態行為を続々と繰り出して来て。これでもかと言わんばかりの中、二人して竜太郎と仲の良い様子を翔太にも見せつけて。言わばNTRな背徳感を知る為の犠牲に翔太がなりそうになる中、予想外の事態が発生する。

 

それは翔太があまりにも悟り過ぎてしまったという事。根本的な対処としては後でするとして、今この状況をどうするか。そこで呼ばれたのは、まるでマフィアのような外見の鈴葉の旦那であり兄妹にとっての父親。例に漏れず彼もまた、ヴィーナス文庫の関係者。

 

「家族みんなでこののんくんの小説の養分になりましょうね?」

 

だがしかし、やはりここもまた例外なしであった。彼もまた変態。家庭内ヒエラルキーが娘より下な、ドM。その性癖を垣間見、竜太郎の心がこれでもかと死んでいくのである。

 

より背徳に、より変態に。更なる深淵へと踏み込んでいく、乾いた笑いが更に止まらなくなる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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