読書感想:冰剣の魔術師が世界を統べる4 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する

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前巻感想はこちら↓

読書感想:冰剣の魔術師が世界を統べる3 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品もとうとう四巻、前巻でいよいよヒロインレースも始まり、物語として更に深みに来ている訳であるが。画面の前の読者の皆様の中で、こう思われた読者様はおられるだろうか。・・・この作品、敵組織と戦いすぎていないか、と。

 

 

そう思われる読者様がおられるかは分からぬが、もしそう思われている読者様がおられるのならば安心していただきたい。今巻は敵組織たる優生機関は様子見、一時休止という選択を取るので。

 

 では、一体今巻ではどんな戦いが描かれるのか。それは今年から始まる、新しきイベント。その名も「大規模魔術戦」。学院の垣根を超え、三人一組でチームを組みぶつかり合うイベントである。

 

そんなイベントに出場する為、アリアーヌに誘われ。アメリアも誘い三人でチームを組む事になり。レイは今度はアリアーヌを巻き込みブートキャンプしてみたり。三連休にアリアーヌを実家へと誘い、特訓をしたりと。絆を深めながら、準備に励んでいく。

 

その中、描かれていくのはアリアーヌの心情。武闘派の貴族の生まれだからこその感情。

 

レイの強さを改めて知り。彼の義妹であり、二人の冰剣の魔術師から指導を受けた末恐ろしき原石、ステラと共に切磋琢磨し。そんな中、時にレイとラッキースケベをしてしまったり、夜に二人で語らったりして。

 

彼の事を見つめる度、心の中に湧き上がる感情。その感情を振り切るかのように、大戦に身を投じ。レイとアメリアと共に、破竹の勢いで勝ち上がっていく。

 

 それが当然であると言わんばかりに辿り着いた決勝戦。敵となるのは、レイとの戦いに固執する七大魔術師の一人、「絶刀の魔術師」、ルーカス。そして彼と組んだ、レイ達の級友であるアルバートとエヴィ。

 

ルーカスたちの戦術に飲まれ、後は無し。最終戦、レイに任され、彼に勝利を託し。アメリアと共にルーカスとの戦いに挑むアリアーヌ。

 

「だが、魔術師らしい、というのはおかしな表現だとは思わないか?」

 

胸に宿るは、レイから渡された胸の熱と、彼女を肯定する言葉。悩む彼女の霧を晴らす、魔法の言葉。

 

「―――アリアーヌが、私を守ってよね」

 

背中に守るは、アメリアという親友。応えるべきは、彼女から託された信頼。

 

 そして、彼女は限界を超え自分だけの領域へと踏み込んでいく。やっと気付けた、レイへの恋心を原動力として。

 

「そっか。なら私たちは、恋のライバルね」

 

彼によって影響を受け、彼によって変われた少女達が彼の周りに集っていく。しかし、未だ彼女達は本当の意味で知らぬのかもしれない。レイが抱えた、過去の闇の全てまでは。

 

果たして、彼の痛ましき過去の全容とは。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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