読書感想:転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます4

f:id:yuukimasiro:20210929223334j:plain

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、七十万部の少年、と我等が主人公であるロイド君の事を呼ぶのは果たして正しい事なのであろうか。そんな訳でシリーズ累計七十万部もの数字を叩きだしたこの作品。そんな作品の最新刊である今巻は、著者様も自分で書いてて若干引いたとまで言われた、ロイドの鬼畜な過去の所業の一端が明らかとなる巻である。

 

 

 一体全体彼は何をやらかしてしまったのだろうか。確かに今までも時折、知的探求心の為なら常識も倫理観も吹っ飛ばした所業をしてきたわけであるが。その所業は果たして一体何で起こしてしまったのか。

 

 その答えを端的に語るのならば、「錬金術」。普通の物理法則では決して成り立たぬ、けれどファンタジーの世界であれば成立してしまう、夢のような術。そんな錬金術に傾倒する兄の一人、第三王子のゼロフに協力する事から今巻のストーリーは幕を開ける。

 

「というわけで、新たな合金を作ってみようと思う」

 

幾度となく失敗と爆発を繰り返しながらも進まぬ、国の守護者となるべきゴーレム、いわば巨大ロボットの製作。ゴーレムの核となる合金をレンの力も借り開発し、完成したプロトタイプ、「ディガ―ディア」と名付けられたその機体と共に、ロイドはゼロフのパートナーとして、錬金術師達の大祭、「錬金大祭」へと出場する事になる。

 

「―――久しぶりですね。ロイド」

 

 かのお祭りでロイドを待ち受けていた一つの影、その名はイド(表紙左)。祭りの舞台となる国、バートラムに三年前に現れた天才魔術師であり、何故かロイドに強い敵愾心を見せる少年である。

 

彼の事は全く記憶になく、覚えもなく。だがまるで何かに導かれるように、巨大ロボット同士の激突の場でその正体は判明し、更にまだ恨みを抱くイドは自作の、神の名を冠したゴーレムに乗り暴れ回る。

 

再び始まる巨大ロボット同士の真剣勝負。そこで全てをぶつけるが如く、全ての力を発揮し迫るイド。

 

「仕方ない。本来の使い方でやるか」

 

 が、しかし。ロイドは何事もなくケロッとした調子で向き合い、更には何でもない事のようにディガ―ディアの本来の用途の力で、まるで奇跡のような結果を生み出し、全てを解決へと導いてしまうのである。

 

倫理観も常識も一時的にはどこ吹く風、そんな彼にさらに注目を集めていく世界。・・・果たして本当に注目を集めても良いのだろうか、この好奇心の塊みたいな少年に。

 

それはともかく、今までとは違った面白さと変な笑いが齎されるかもしれない、やっぱりお気楽ファンタジーな今巻。

 

シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます4 (講談社ラノベ文庫) | 謙虚なサークル, メル。 |本 | 通販 | Amazon