前巻感想はこちら↓
読書感想:魔帝教師と従属少女の背徳契約1 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、魔術も呪術も悪魔も普通に存在するこの作品中の世界であるが、今巻の感想を書いていく前に画面の前の読者の皆様に一つ、質問してみたいと思う。皆様は、「魔女」と呼ばれる存在についてどんな印象を持たれているであろうか。ライトノベルの世界において、「魔女」というものはどういう役回りな事が多いであろうか。
頼れる味方である事もある、ヒロインである事もある。しかし、敵である事もある。そんな印象があられるのではないだろうか。そしてこの作品において、「魔女」とは迫害される者。元々は巫女に源流を持ちながらも、教会により迫害され魔へと身を変えた者、という扱いである。
そんな存在の血を引くヒロインの一人、レイア。彼女に焦点が当たり、彼女を救う為に戦う事になるのが今巻の展開の大まかな流れである。
前巻の死闘から束の間、ようやく手に入れた平穏の中、千夜の裸エプロンを堪能したりと愛も変わらず刺激的な日々を送るジョゼフ。
しかし、不穏の芽はすぐそばまで来ていた。数日前に起きた魔術庁職員の襲撃事件。その事件がかつてレイアの母親が起こしたとされる事件と酷似していた事、魔女の使い魔が目撃された事もあり犯人としてレイアが疑われる事になり。教会から派遣されたエクソシスト、アグネスに監視される事となる。
レイアを守る為、己の家で暮らしてもらう事にするジョゼフ。天然ぽんこつなアグネスに振り回されたりしながらも、何とか戻ろうとする平穏な日常。
だが、波乱は彼等を逃してくれぬ。彼等の前に現れたのは今巻の敵役となる魔女、メアリ。レイアの母親が纏めていた魔術結社を乗っ取った魔女であり、レイアの母親に濡れ衣を着せた張本人。
告げられる、自分が狙いであると言う断言。予告された襲撃、それは五日後。
思わず心壊れそうになり、折れかけてしまうレイア。
「―――ふざけんじゃねぇぞ」
「神様だろうが、ねじ伏せてやる」
その涙、許容して良きものに非ず。魔帝の器として成長しつつあるジョゼフは傲慢にレイアを抱きしめ彼女を繋ぎ止め、改めて契りを結び戦いの中へと飛び込んでいく。
敵となるのは夜と狂乱を統べる女神と契約せしメアリに率いられた魔女達。
戦いの鍵となるのは、成長しつつあるジョゼフや千夜の力か。新たな魔王と契約したレイアの力か。
「裏切るくらいなら、この命を捨ててやる」
上記の全ては正解、しかし一つ足りぬ。本当の意味で鍵となるのは、ジョゼフの愛。全てを飲み込む、傲慢ともいえる無限大の愛である。
更に官能的に、より熱く。前巻にもあった面白さが更に高まる今巻。
前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。