読書感想:魔女と猟犬2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:魔女と猟犬 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、私はこの作品の前巻の感想で衝撃的な読書体験が出来る、と書いた次第である。その通り、この作品において保証されているのは衝撃的で混沌に過ぎる展開である。そして主人公であるロロ達に手厳しいにも程がある、ハードに過ぎる展開が目白押し、というのは前巻を読まれた読者様であればきっとご理解いただけると信じたい。

 

 

さて、では今巻の感想を今から書いていくわけであるが、先にお断りしておくが今巻の感想を言語化するのはとても難しい。何故ならこの作品は良い意味で難解に過ぎるから。故に、今巻の感想は非情に読みにくいものとなってしまっているかもしれないが、その点をご了承願いたい。

 

何とかレーヴェを脱出し、「鏡の魔女」であるテレサリサ、魔力による影響により眠り続けるデリリウムを連れ、まるで落ち延びるような形で故郷であるキャンパスフェローへと帰国を果たすロロ。

 

 だが、国はアメリア王国による侵略により炎と瓦礫に覆われる悲惨な様相を呈していた。生き延びた者達との再会、だがそれも束の間。息つく暇もなく、商人の裏切りにより国を脱出する事を余儀なくされたロロ達は同盟を頼り、北の国へと向かう事を決意する。

 

彼の地は、強き者が尊ばれる戦士の国。かの国にも魔女がいる。その名は「雪の魔女」、ファンネル(表紙)。雪の国に相応しい、氷に覆われた城に住まう全てを凍てつかせる魔女。

 

同盟の為、ファンネル討伐へ加わる事を要請され、城へと向かうテレサリサとロロ。

 

 だが、話はこれでは終わらない。魔女対魔女、それで住むのであればこの作品はもっと簡単であったのかもしれない。だが、それでは済んではくれない。突如、討伐軍と魔女の戦いの中に乱入してきた者がいる。

 

その名は九使徒アメリアの王都に存在するルーシー教の総本山より派遣されてきた、最高位の魔術師。

 

その一人である第七の使徒、「召喚師」ココルコ。人を生贄とし強大なる魔獣を呼び出す最強の魔術師、更にはファンネルによりあっという間に壊滅へと追い込まれていく討伐軍。

 

「だからその魔術師は、お前がっ・・・・・・!」

 

その最中、ファンネルの協力を取り付けたロロは迫られる事となる。殺せぬ自分が殺す事を。この場を生き残るために。

 

その先の展開はどうなるのか。それは是非、画面の前の読者の皆様のその目で確かめてみてほしい。

 

だが、これだけは確かに言えることがある。―――今巻もまた、誰かにとっての地獄であるという事を。

 

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