読書感想:魔眼で始める下剋上 魔女とつくる眷属ハーレム

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 さて、突然ではあるが画面の前の読者様にお聞きしたいが、画面の前の読者の皆様は魔眼と聞くと、どんな魔眼を思い浮かべられるであろうか。自身の国に捨てられた皇子の魔眼だろうか。それとも、中二病を卒業できずに拗らせた少女の魔眼と嘯く普通の目だろうか。

 

 

だが、魔眼というものは男子の中二心をくすぐるものであるのは確かな真実なのかもしれない。特別な力を持った目、というものは憧れを集めるもの。けれど忘れてはいけない。力は間違った使い方をしてしまえば、途端に災厄を生んでしまうと言う事を。

 

 そういう意味においては、魔眼を持つに相応しいのは力をきちんと使いこなせる賢者であると言えるだろう。だが、真っ直ぐに一つの目的だけを突き進める愚者もまた、間違った使い方をせずきちんと使いこなせると言えるのかもしれない。

 

数千年前、魔女達が大戦争で世界を混乱に陥れたという伝説の残るとある異世界。その世界の片隅の帝国で、妹と共に必死に生きる青年、エイト(表紙右)。下級の市民であるが故に姓は無く、生きる上での後ろ盾すらなく。冒険者として日々の稼ぎを得る彼の姿は今、とある遺跡の中にあった。

 

 彼の狙いは、ラングバード王国という国の姫騎士、リリシア(表紙左)。彼女が持っているというお宝を得るための地図を狙い、行動に出るエイト。しかし、運が悪かったのかはたまた浅慮だったのか。あっさりと見透かされ、彼女の奴隷へとなってしまう。

 

それで済めば、何も起こらなかったのかもしれない。だが、事態は突如急転を迎える。帝国の皇子の一人、ルーファスがリリシアを狙い現れ。巻き込まれた彼はリリシアと共に、隠されたフロアへと転移する。

 

『この先に階段があるんだ。それを下りて来て。そうすればキミは、この迷宮のお宝である、世界を変える力―――王の力を手に入れることが出来るよ』

 

 そこで待っていたのは、封印されていた古の魔女の一人、ヴィノス。彼女との契約を交わしたエイトは王の力を手に入れる。一人につき一回、どんな事でも命令できる絶対順守の魔眼の力を。

 

魔眼の力を手に入れ脱出した彼等の目の前に広がっていた衝撃の光景。王国の陥落、全てを包み込む大火。

 

帰るべき国を無くし、帝国への復讐を決意するリリシア。彼女へとヴィノスが提案したのはエイトとの眷族契約。心と体の繋がりを持つ事で強大なる力を得る、彼を主とする契約。

 

 契約を交わす事を承諾するリリシア、契約を交わし共に戦う事の対価として国をよこせと願うエイト。今ここに契約は交わされ、二人の戦いが幕を開ける。古の魔女を巡る戦いの幕が。

 

はじめてを捧げ契約を交わし。疑似的な家族の安寧に浸る中、現実に引き戻すかのように帝国の追手は迫り来て。先んじて魔女の力を得る為に、帝国との探索チキンレースへと飛び込んで。

 

「あはは、いいねえ。本当に家族みたいだ。ボクも交ぜてもらおうかなぁ」

 

 戦いの中、増えていくのはエイトの眷属という名のハーレム。繰り広げられるのは、眷属を強化するための名目の元の激しい性行為。この作品は、世界に憎しみを抱く者達のバトルファンジーである。そして、その手に僅かなものしかもっていなかった青年が、世界を股に家族を増やし、大切なものを得ていく作品なのである。

 

エロティックで熱い、そんな作品が好きな読者様。ちょっとエッチなファンタジーがお好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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