問:二股系主人公と言えば?
答:早乙女アルト(恐らく違うか?)(若干世代が古い真白優樹である)
さて、二股は勿論不誠実である。女性と付き合う上において、やってはいけない事である。既婚者がやったら不倫という扱いで慰謝料が発生しかねない不祥事である。だがもし、それが二股をされている女子同士が公認していたら、果たしてそれは罪と言えるのだろうか?
この作品は言ってしまえばそんな作品である。三角関係ものにおいて、「どちらも魅力的すぎて選べない」を何処までも突き詰めた結果がこの作品である。
何処にでもよくいる、普通の高校生な主人公である孝平。彼は今、二股状態で二人の女子とお付き合いをしていた。
だがしかし、それは孝平と二人のカノジョが話し合い、三人で望んだ結果として訪れた関係性。彼が優柔不断であるとは一様に攻め切れぬ結果として生まれた状況である。
「恋愛は追いかけさせるもの」という考えを持つ、戦略家な一面を持ちながらも結局は策士になり切れぬぽんこつな元カノ、玲奈(表紙左)。
「恋愛は攻めまくるもの」という考えを持つ、考えるより行動あるのみ、猪突猛進ガールな今カノ、優香(表紙右)。
「そういうことなら勝負しよう、青海さん」
二人ともそれぞれ魅力的に過ぎて、ヒロインを決めきれず。そんな孝平の様子を見て優香の提案により始まった、三か月だけの二股。その間にどちらが孝平と付き合うかを決めるアピール合戦。これより始まるのは、何処かぽんこつな少女達によるちょっとお馬鹿な攻防戦である。
ある時は授業中、またある時は相手を家に招いてのお家デート、更にある時はテスト後の激辛専門店での三人での打ち上げで。
様々な場所で手を変え品を変え。繰り広げられる攻防戦。ある時は優香が仕掛けたかと思えば、すかさず玲奈がいかせないとばかりに追随する。
が、しかし。そのアピールはまるで脊髄反射で繰り出しているかのようなものも多くて。するとどうなるのか。その答えは只一つ、本人達も赤面必死、という訳である。
そのアピールを一心に受ける孝平、更に流れ弾をこれでもかとくらい巻き込まれていく級友を始めとする周りの面々。
だけど、この二人は真っ直ぐだ。何故なら根底の想いは同じ、「好き」という只一つの熱い感情であるから。
だからこそ笑える、もはや転がってしまう程に。だからこそ萌えられる。このラブコメは直球ドストレートであるから。
「こんな優柔不断で不誠実な俺が、二人に相応しいとはとても思えない!」
直球ど真ん中のラブコメを読んでみたい読者様、何も考えず笑いたい読者様にはお勧めしたい。
きっと貴方も満足できるはずである。
元カノと今カノが俺の愛を勝ち取ろうとしてくる。 (角川スニーカー文庫) | はむばね, けけもつ |本 | 通販 | Amazon