読書感想:最弱無能が玉座へ至る 2 ~人間社会の落ちこぼれ、亜人の眷属になって成り上がる

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前巻感想はこちら↓

読書感想:最弱無能が玉座へ至る1 ~人間社会の落ちこぼれ、亜人の眷属になって成り上がる~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、亜人の眷属となる事で「王」としての力を解放、使いこなす事のできるという特異な力を持つことが判明した、我等が主人公であるケイル君。そんな彼を巡り各亜人陣営が火花を散らすであろう事は、前巻において既に明言されている。ならば一旦、お休みという事はあるのだろうか、否、それは勿論なし。一度目覚めてしまったのならば容赦なく、彼は「王」としての力を求められる事へとなっていくのだ。

 

前巻で手に入れた吸血鬼の力。その力を使いこなすべく、訓練に励んでいたケイル。そんな中、彼等が通う学園にも長期休暇という羽を伸ばす時期が来る。

 

「ケイル。私は、王を欲している」

 

「次の長期休暇。私の故郷・・・・・・獣人領に来て欲しい」

 

だが、前述した通りに彼に休む機会はない。仲間である虎獣人の少女、アイナ(表紙左)に誘われクレナも巻き込み訪れた獣人領。そこは老いたる獣人王により民への圧政が敷かれ、人々が苦しめられる世界であった。

 

「私たちはもう、貴方に頼るしかない」

 

かの地に招かれた早々、革命軍「爪牙の会」の一員の顔を晒したアイナに請われる。この獣人領の未来の為、貴方に王になってほしいと。

 

更に状況は安寧を許さずとばかりに、ケイルはもう一つの革命軍「角翼の会」の首領であるミレイヤ(表紙右)に攫われ、虜囚の身となってしまう。

 

だがしかし、言葉を交わし武を交わし相互理解をしようと足掻く中、彼は知る事となる。革命後の実権を争い暗闘していても、どちらの組織も本当に国の未来を憂いているのだと。そして、暗愚で非道なばかりに見えた獣人王にもまた、裏の顔、何故非道に手を染めなければならなかったのかという哀しい理由があると言う事を。

 

「王に抗うためでも、王になるためでもない。俺はただ―――大切な人たちのために、この力を使う」

 

だから彼は見つける事が出来た。全ての王の上に立つことのできるこの力の意味を。自分が何のためにこの力を振るうのかという事の意味を。

 

王対王の前巻にも増して圧倒的な戦い、バトルに次ぐバトル。

 

そんな熱い要素がこれでもかと詰め込まれ、一気に駆け抜けていかんとするかのようにハイスピードで駆けていく今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、やはり熱い戦いが好きだと言う読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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