読書感想:千歳くんはラムネ瓶のなか2

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前巻感想はこちら↓

 

yuukimasiro.hatenablog.com

 

もし貴方が美少女から告白されたらどうするだろうか。もし、その告白の裏に何か思惑があるのなら。

 

一巻は健太を軸に据え、エピソード0といった様相を呈していたこの作品。今巻からがいよいよ本当の意味での始まりと言わんばかりの巻であり、今回主役を飾るのは悠月(表紙)である。

 

では今巻は一体どんなお話なのか。簡潔に言うのならば、これは少女が辛い過去を乗り越え、偽物だった恋が本当の恋に変わるまでのお話である。

 

ストーカーに悩まされる彼女が悪い虫を避ける為に朔に依頼したのは、偽物の彼氏になる事への依頼。そして始まる、二人の偽装恋人関係。

 

その中で徐々に明かされていくのは、彼女の昔話。朔と出会う前の、思い出したくもないあの日の歴史。

 

まるで過去が再び追ってくるかのように、彼女の前に現れるのはトラウマを刻んだ元凶達。

 

だけど、もう負けないから。彼に貰った熱が、この胸に宿っているから。

 

過去を越え、叫びに応えて現れるのは、我らが主人公である千歳朔。

 

「呼んだか、お姫様」

 

ちょっと格好つけて三枚目に決めてみたりして。

 

「思い知れ」

 

「そりゃあ、あれだ。まだ別れの言葉を聞いてなかったからな」

 

全部背負わされてもなお笑い、安心させるかのように、だけど格好良く決めて見せる。

 

その彼からバトンを受け取った悠月の心の中、確かに目覚めるのは本当の恋心で。

 

そう、リア充だって最初からリア充だった訳じゃない。誰もが何か隠したい傷を、過去を持っていて。だけど、そんな傷を乗り越えていける、だからこそ彼等はリア充なのかもしれない。

 

ここからが千歳朔、本当の青春の始まりとなる今巻。前巻を読んだ読者様は是非読んでみてほしい。今月最新刊も出るので。

 

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