さて画面の前の読者の皆様、貴方はこんな世界なんてぶち壊れてしまえ、ぶっ壊してしまいたいという願いを抱かれたことはあるだろうか。こんな、政治家と言う名の頭が良いだけの愚者共が本当の意味で人の事を考えていない、こんな国なんて壊してしまいたいと思ったことはあるだろうか。
失礼、闇が漏れ出てしまいました。
さて、誰が言ったか、電撃小説大賞は金賞よりも銀賞の方が面白い、と。ではそのジンクスが確かならこの作品は、某豚のレバーよりも面白いのだろうか。
それが事実かどうかは、是非画面の前の読者の皆様、自身の手と目で確かめてみてほしい。しかし、確かに言えることが只一つ。某豚のレバーが純愛と王道のファンタジーであるなら、この作品は和に中華が合わさりそこに未来世界と言うSFがぶち込まれた、正に混沌の闇鍋と言うべきかもしれない作品であるという事である。
人からも妖魔からも排斥され、世界の全てを恨み壊してしまいたいと願う少女、かがり。(表紙中央)。 彼女の心からの願いに応え、遥か過去の世界から蘇った聖仙、彩紀。(表紙右)。
この世界は狂っている、既に腐敗してこれ以上腐りようがない程に。誰にとってこの世界は存続すべき世界なのか。
欲に溺れ、支配を目論む悪がいる。
真っ直ぐな想いを踏みにじり、悦に至る悪がいる。
自らの心のままに闘争を追い求め、災厄を振りまく悪がいる。
「世界を蹂躙している莫迦者どもの頬を引きちぎってやろう」
そう―――この世界は、誰にとっても壊すべきなのだった。
この一つの言葉、一つの文に全ては集約されるがように。
この作品は、理不尽な蹂躙にも弾圧にも屈せず、我らここにあり、汝等悉く断罪すべき邪悪なりと言わんばかりに反逆の牙を突き立てる。そんな熱き反逆者達の魂の物語なのである。
何かを壊して爽快感を得たい読者様、熱い物語が読みたい読者様は是非。きっと満足できるはずであるから。