読書感想:女子校の王子様なのに、キスがへたくそすぎる!

 

 さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様は、女子校というものの中に入られた事はあるであろうか。入ったことのない、という読者様もおられるだろう。実際、私も入った事はない。そう思うと気になる事もあるかもしれない。果たして女子校というものの内実は、漫画の中のような世界なのか、と。キラキラしていて挨拶はごきげんよう、なお嬢様めいた世界なのだろうか。

 

 

そんな事はないのかもしれないし、学校の中で百合の花が咲いているという事が本当にあるのかは分からない。という訳でこの作品においては、そんな女子校の中で繰り広げられるガルコメであり。王子様として慕われる女子と繰り広げるお話なのである。

 

野暮ったい前髪、表情暗め、内心も自己評価低め、友情にも恋愛にも興味がなく人間不信気味な陰キャ、性格が複雑骨折レベルでひねくれものな姫子(表紙左)。彼女の通う女子校には周囲から崇められる王子様系女子、巧美(表紙右)がいた。そんな彼女の事が姫子は苦手である、本質的に陽の者が苦手だから。そんなある日、家にてメスガキ系妹の桜に煽られ、思わずキスをしたことがあると言ってしまい。嘘を真にするために、仕方なく巧美に相談してみる事に。

 

「あなたに、わたしが王子様であるための手伝いをしてほしい」

 

キスを教えてほしい、という相談。自分から誘ったという事で躊躇いはなく。が、そこで判明するのは巧美のキスの下手さ。実は仮面を被っていただけで、本当はポンコツであるという事。王子様であるためにお願いされ、利害の一致も相まって。キスの練習、に付き合う事に。

 

「うち、ずっと心配だったんよ」

 

「わたしも、多分君と同じだから」

 

キスの練習、という名目で一緒にいる事が増えて、桜にも会わせて。そんな中、近づいてきたのは姫子の元友人であり人間不信の一因となったギャル、くるみ。 女子校の姫、関西弁系の姫な陽子と姫子が仲良くなり巧美が嫉妬したりする中、くるみは姫子へ手を伸ばすも姫子は頑なに拒み。それを見た巧美と陽子は一計を案じ、2人を向かい合わせる事に。

 

「だから、もう一回、友達になろう?」

 

「別に、いいけど」

 

拒もうとする中、真っすぐに熱く伝えられるのは初恋の気持ちとあの日の真実。ようやく向き合いもう一度。そこで生まれるくるみと巧美のライバル関係。

 

「それってさ、恋してるんやない?」

 

そんな中、段々と。姫子の中、思いが変わりだす。彼女の事を知りたい、何故王子様系になったのか、何があったのか。誕生日を機に過去を聞いて、偽物でも彼女の光である事を選び。心の中、言い知れぬ思いは陽子の導きで恋へと変わる。

 

「愛しています、姫子」

 

そして勝負は文化祭、出し物である眠り姫の劇へ。終わったら、伝えようと。そう思っていたら巧美が舞台上、声高らかに愛を叫んで。へたくそなキスと共に、心は結ばれるのである。

 

どこかもどかしくむず痒い、けれど確かに甘いこの作品。まっすぐ目なガルコメを見てみたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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