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読書感想:わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ(※ムリじゃなかった!?) 短編集 - 読樹庵
さて、SS集に短編集と二度挟んで久しぶりの本編となる今巻であるが。前巻で過去の因縁と決着をつけたれな子が立ち向かうべきは何か。それは勿論、真唯の婚約騒動。恋人として反対をする為、取り消しにさせるために立ち向かわねば幸せは手に入らない。しかし、れな子はまだ気づいていない事があるのは皆様はお察しであろうか。
それは、三人で付き合う、という事の重み。真唯と紫陽花、二人の彼女がいる状態。それは自分で選んだものであり、これこそが三人の形。だけどそれは、簡単に周りの人が受け入れられるものなのか。という訳で混沌続く中、シリアス突き進む巻である。
「わたし、真唯の幼馴染みだった!?」
前巻、過去にもきちんと決着をつけ満たされた状態。自己肯定感バクアゲな中で学園祭を楽しんで・・・・・・舞い込んできたのは衝撃のお知らせ。それは、真唯と紗月が婚約した、という事。
「はっきり言っておくけど、私は別に真唯と結婚するつもりはないわ」
「くいーんろーずを、爆破しにいきましょう」
だが話を聞いてみれば、紗月曰く、真唯の母親のルネを騙すために仕掛けたお芝居、との事。ドライな紗月らしくない動きに首を傾げる中、一方的に婚約破棄された形になった元婚約者のリュシーのメンタルケアに駆り出される事に。何故かキャバクラに行ったり、二人でお風呂に入ったり。ドタバタながらも、何とかリュシーのケアはある程度成功する。
「それだけ心が決まっているなら、ボロを出すことはなさそうね」
「同じじゃないですか!!」
その裏、垣間見えるのは紗月の思い。真唯と二人きりの間だけチラ見せする思いのその裏、花取さんに四股を疑われたれな子は自分達の関係を明かすも、物凄く怒られて拒絶され。改めて、自分達の関係の歪さを突き付けられることに。
「恋なんて、死ねばいい」
『どうしても話したいことが、あるんです』
だけど負けるわけにはいかない。クリスマスまで、という宣戦布告を突き付けて来た紗月にも、何にも。 うじうじ立ち止まるのではなく、己から踏み出す。覚悟を決めたれな子は、ルネへと電話をかけて。自分から動き出す事を、見せつけていくのである。
シリアスの直線上、決戦へ向けての準備が整う今巻。ルネやら花取さんやら紗月やら、正にボスラッシュのような様相を、れな子は全部乗り切ることができるのか。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) 8 : みかみ てれん, 竹嶋 えく: 本