読書感想:褐色娘のラティーナさんに俺の体が狙われている

 

 さて、時に画面の前の読者の皆様は褐色娘、と呼ばれる系のヒロインはお好きであろうか。褐色娘、つまりは肌の色が褐色系、な訳で。現実世界に照らしてみるとブラジルとか南米系のヒロインであろうか。 普通のヒロインは日本人系な肌の色であるが、そういうヒロインを見慣れていると褐色娘なヒロインと言うのは新鮮に映るかもしれない。ではそんな褐色娘、というのはどんな属性として描かれる事が多いであろうか。

 

 

やはり元気、ハイテンションと言うキャラ付けがされている事が多いかもしれない。そんな元気娘、ラティーナ(表紙)とのハイテンションなラブコメがこの作品なのである。

 

中学校時代は勉強で上位だったが、高校に入ってから勉強についていけなくなり。打ち込んでいたバスケも、唐突に現れた天才により呆気なく上回られ。二度の挫折ですっかり心折れてしまい、暇な時間を自慰行為に費やすようになった少年、誠。彼の通う高校に転校してきたのがラティーナ、とある南米の少数民族の娘。その胸のデカさに思わず圧倒されるも特に関わる事もなく、と思っていたら。帰り道で良からぬ男に絡まれる彼女を見かけ、勇気を出して怪我をしながらも何とか助け。

 

「マコト、ワタシとお付き合いしまショウ!!」

 

すると、そんな彼の勇気を気に入ったのか、ラティーナから唐突に告白され。身体に流れる男子高校生のリビドーには逆らう事が出来ず、受け入れて。爆速でカップルになったかと思ったら、いきなり子作りを迫られ。まさに外国的、体当たり的なコミュニケーションに誠の誠もそそり立ち、抑えるのに苦労させられていく。

 

正義を貫こうとする委員長、文子が自分の存在意義をぐわんぐわんと揺さぶられたり、ちょっと高飛車な貧乳お嬢様、飛鳥がラティーナに無邪気に貧乳を指摘されダウンしたり。 誠の挫折の原因でもある、イケメンだけど女性が苦手過ぎる聖夜に何故か師匠と慕われたり。

 

 

そんな中で、ラティーナはぐいぐいと誠に迫る。 時にはコスプレしたり、時には胸を触らせようとしたり。 しかしハイテンションな中にも、確かに愛がある。その理由は何かと言うと、種の存続の問題。 もう彼女の部族の生き残りは、風前の灯火という事。

 

「そういう時には頑張れる男じゃないとだよな」

 

そんな彼女は何故誠に惚れこんでいるのか。それは確かに彼の中に勇気、男気を見出したから。誰かのために戦える強さを見出したから。 その期待に、応えようと。 今、少しずつだけでも勇気を出して。 彼は苦手になってしまった勉強に立ち向かい、小さくとも成果をあげていくのだ。

 

ハイテンションで魅力的なキャラばかり、そして真っ直ぐなラブコメであるこの作品。テンション高めなラブコメを見てみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: 褐色娘のラティーナさんに俺の体が狙われている (ダッシュエックス文庫) : 岸馬 きらく, おりょう: 本