読書感想:TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話1

 

 さて、今やVtuberというのは文化として根付いて、画面の前の読者の皆様の中にもそれぞれ、推しのVtuberという存在がいるかもしれない。しかし、この文化が根付くまでには色々あった事であろう。Vtuberというジャンルのまだ黎明期。そこに立ち会われた読者様は割と古株の方、であるのかもしれない。そんなVtuberというものを題材にしたラノベは最近増え始めている訳であるが。全体的にはどんな傾向の作品が多いのであろうか。

 

 

その問いに対して「コメディ」と答えられる読者様も多いであろう。この作品もそんなコメディ、な作品であり。そしてTSと転生、も関わる正にごった煮カオスのような作品なのだ。

 

「頭のおかしい人しか採用しない」と掲げる、文字通り変人の巣窟。事務所の正式名称が長すぎるので「肥溜め」という俗称で呼ばれる事務所。この事務所の二期生としてデビューした女子高生、蓮華。Vtuberとしてはメスガキ魔法少女琥珀(表紙中央)。彼女には一つ野望があった。それは推しとイチャイチャする事。なんなら百合百合でてぇてぇする事。実は彼女、前世の記憶があり。前世はVtuberを推している社畜で突然死してしまったという事。今の世界はかつての世界の過去、Vtuber黎明期の始まる前であり。今の自分は女。夢を叶える為にVtuberになる事を決意したのだ。

 

「なんか、ごめん」

 

「肥溜め」に所属出来た彼女の目標は只一つ、所属するライバー全員墜とす事。しかしまず、事務所の大先輩、全智(表紙右下)とコラボする事になり、二十四時間配信中な自宅を訪れたらあまりにもゴミ屋敷であって。居てもたってもいられず数時間かけて掃除をしたらそれが配信されてしまい。あっという間にメスガキの中身、礼儀正しく面倒見の良い本性を明かされてしまう。

 

 

だが、それは彼女の本当の魅力の開花。そして琥珀の凄い所。彼女はまるでママのように愛情深く、純粋で。 墜とすという欲望に真っ直ぐに、貪欲に。ライバーたちの心に寄り添い、時に揶揄い、時に支えて。 釣った魚にもきちんとエサをやる、というより最後まで面倒を見ると言わんばかりに。

 

「ちょっと楽しみにしてた、かも」

 

全智をまるでママのように世話を焼き。同期であるツナマヨ(表紙左)の素直さを引き出し、真っ直ぐに魅力を引き出して。

 

「―――私は君だけを見るから」

 

そして、同じく二期生であり音楽系ではあるも歌う事に何か思う所を抱えるクラシ―(表紙右)の傷に向かい合って。自分だけは貴方を見るから、と真っ直ぐに。歌に乗せてその思いを放って見せる。

 

墜とす、それは彼女を中心にてぇてぇの流れを生み出すと言う事。 それを実現するように、彼女を中心に「肥溜め」は纏まり始めていく。彼女のハーレムになっていくのだ。

 

正に幸せスパイラル、あの日の推したちを救い、そして墜としていく。ドタバタな中にてぇてぇ溢れるこの作品。 ほっこり萌えたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話 1 (HJ文庫 こ 08-01-01) | 恋狸, ほまでり |本 | 通販 | Amazon