読書感想:学校一の美少女と親友同士の恋愛相談に乗っていたら、いつのまにか彼女が誰よりも近い存在になってた件

 

 さて、時にラブコメ世界においては幼馴染同士のラブコメというのは鉄板ネタの一つであるが、実際の所、幼馴染同士であっても必ず結ばれるとは限らないと言うのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。気の置けない友人同士のようで、ラブコメに発展しない幼馴染もいるかもしれないし、ケンカ別れしてしまった幼馴染同士も存在するかもしれない。そして現実世界においては、その理論がより成り立ってくる、のかもしれない。

 

 

バスケ部所属、スポーツ万能、更には勉強の成績もよい少年、獅子。そんな彼の幼なじみであり、彼に釣られて陽キャグループに所属している少年、涼真。

 

「俺と涼真は幼馴染みだからな、当然じゃねーか!」

 

彼等の関係は幼馴染み。そして涼真に獅子が躊躇いなく甘え、涼真がまるでオカンのように世話を焼く、という関係性。 そんなある日、涼真は獅子から恋愛相談を受ける。彼が懸想する相手、それはクラスの中心人物であるアリサ(表紙)といつも一緒に居る少女、雫。まずは偵察をお願いされ、雫に話しかけて色々情報を聞き出そうとしたらそれがアリサの目に留まってしまい、彼女に呼び出される事となる。

 

「でも可愛らしかったな」

 

アリサから雫にどういう思いを向けているのか、と詰問され。獅子の事は伏せて正直に話したら、危害を加えないなら見逃すと許してもらい。幼馴染である雫のことを溺愛するアリサの惚気を聞かされ、そつなく彼女に対応し。一先ず雫と涼真の関係の間にアリサも交え、関係が始まる事となる。

 

涼真の妹も交えて出かけたり、色々あってお姫様抱っこをする事となったり。そんな中、アリサは今まで置物のようだと思っていた涼真の事を認め始め、その心の中に彼への気持ちが徐々に芽生えだして。完全に認めた、ところで実は本当は獅子の方が雫が好きであると涼真に明かされて。今度は獅子も交え、四人での関係性が形成されていく。

 

アリサと涼真でいった場所へ今度は四人で行って雫に邪推されたり。アリサが涼真に寄りかかって寝てしまったり、アリサと雫、そしてもう一人の幼なじみが仲直りするきっかけを作ったり。 そんな日々の中でどんどん、と。涼真の事が気になっていく、正に惹かれていく。告白される、と想像したらあっさりと受け入れてしまう程に。

 

「ねぇ・・・・・・私とあなたはどんな関係?」

 

そんな中、獅子の必死の告白は無事に実を結び、雫と付き合いだした事で涼真の周りからは人が離れ。だけどそんな彼にアリサは問いかける。同じものを知る自分達は、果たしてどんな関係であるのか、と。恋人としてはまだ遠く、だけど友達としては近すぎる。二人のそんな関係に、今の言葉での答えが出て。まだ付き合いだしたわけではないけれど、二人の新たな関係は幕を開けるのである。近くに迫っている、涼真の過去からの刺客をまだ知らずに。

 

 

幼馴染みコンビ同士の、肩の力を抜いて読めるラブコメであるこの作品。良い意味であっさりと楽しめる作品を読んでみたい読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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