読書感想:武神伝 生贄に捧げられた俺は、神に拾われ武を極める2

 

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読書感想:武神伝 生贄に捧げられた俺は、神に拾われ武を極める - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で魔境と呼ばれる島にて亜神と皇帝の魂から武を受け継ぎ、最強への道を一歩踏み出したこの作品の主人公、刀真であるが。前巻、リーズ共々狙われ魔族から刺客を差し向けられたわけであるが、これまで暗躍していたらしき魔族の面々がそう簡単に自分から動き出すか、と言われればそうではなく。 今巻においては大きく世界を広げ、彼の冒険者としての生活が本格的に幕を開ける巻なのである。

 

 

「業腹だが、現状は身を隠し、様子を窺うしかない」

 

「―――刀真。 私に、貴方の技術を教えて」

 

 

前巻、グレンが倒された事で魔族達は一旦身を隠す事を選び、脅威が一旦遠ざかったとは知らぬ刀真は、可能性を広げる為に体を強くしたいと言うリーズの願いを受け、魔法使いにぴったりな身体操作に特化した魔力運用を教え。道中修行に励みながら、王都であるグランボルトに到着する。

 

一先ずリーズは魔族を調べる為に図書館に向かい、刀真は街に様々に存在する多種多様な道場を見て回り。その中、心惹かれた槍術を見つけ。ドゥエルという男性に弟子入りする事となる。

 

「な、なら、ウチをパーティーに入れてくれない!?」

 

まだまだ未熟、故に新たな武術を身につけるべく頑張る刀真。気分転換を申し出たリーズに連れられダンジョンへ向かう中、仲間に入れて欲しいとやってきたのはビースターであるニャム(表紙右)。所属したパーティーが何故か不幸な目に遭う、故に「不幸」という異名を持つ。 その通り、ダンジョンに潜ってみれば罠が山盛り、更には狂暴化した上級モンスターまで。しかし、刀真とリーズにかかれば大抵問題なし。立ち塞がるもの皆叩き潰し、お宝も手に入れていく。

 

そんな中、行われたお祭りで、ニャムに絡むとある因縁を知り本当の意味で仲間に加えて。その先に巻き起こるのは、魔族が裏にいるアンデッドの騒動。最近王都を賑わす亡霊騎士も動き出す中、黒幕に遭遇してしまったニャムは秘められていた力を解き放ち。しかし一歩及ばず絶体絶命、そんな場面へとドゥエルの援護で送り届けられた刀真は、亡霊騎士に手を貸して。黒幕を切り伏せ、暴走しようとしていた厄介な書も、新に身に着けた武術で破壊して見せる。

 

「・・・・・・いえ、とんでもございません。ご指導、ありがとうございました」

 

その褒美として頂けたのは、亡霊騎士の正体、高潔な騎士による神髄の指導。また一つ身に着け強くなる彼等に持ってこられたのは、王族からの呼び出し。その裏で動き出すのは魔族達。

 

より面白さ増して世界が大きく広がる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。 きっと貴方も満足できるはずである。