読書感想:ブラックな騎士団の奴隷がホワイトな冒険者ギルドに引き抜かれてSランクになりました 8

 

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読書感想:ブラックな騎士団の奴隷がホワイトな冒険者ギルドに引き抜かれてSランクになりました7 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でアステアの徒を壊滅させたジードであるが。過去からの来訪者が告げた、女神アステアの実在。今まで幾つもの自体の裏で糸を引いてきた黒幕である以上、女神アステアをぶっ飛ばさなければ終わらない。ならばもう進むしかないのである。女神の本格的な介入により混沌とし始めた世界の中を。

 

 

「女神アステアの影を感じ取った」

 

騒動から半年、リフの張った結界により女神アステアの念波が阻害され稼げた時間。しかしそれは遂に破られる。大陸屈指の学問都市を有するスティルビーツ王国で反乱が起き、王女であるフィフ(表紙右)が実権を握ったかと思うと、帝国の勢力圏にある国に対して戦争を仕掛け始める事態の横で、「賢者」に選ばれたエイゲルが魔族領で暴れ回っていると言う知らせまで飛び込み。ジードはルイナが準備を整える間に、エイゲルを連れ戻すべく動き出す。

 

エイゲルを殺そうとしていたフューリーから教えられたのは、女神アステアが人間と魔族の戦争自体を望んでいるというもの。人間と魔族の戦争は歴史に残る数よりも数百倍起きていると言う事実を話した後、フューリーはジードに協力をする事を告げ、魔王が味方となる。

 

だがしかし、さらに事態は面倒な方向に進みだそうとしていた。帝国とギルドの仲を裂くように戦争が拡大し、ゲリラ戦が巻き起こる。この状況をどうにかするにはどうすればよいのか。―――そうだ、結婚しよう。とでも言わんばかりに、ルイナが提案したのは自分とジードの政略結婚。アステアに対抗する為、そして情勢が予断を許さぬが故に。結局のところ、それを受け入れるしかない。

 

クエナやシーラを何とか説得し、ルイナがソリスを説得し迎える結婚式。そこに現れた首謀者であるフィフが語るのは、女神の目的はジードであると言う事。その瞬間、フィフに仕込まれた精霊が目を覚まし、ジードですら勝てぬ予感を感じさせる脅威が訪れる。

 

「なるほど。アステアが俺にこだわる理由がわかった気がしたよ」

 

「アステアは神なんかではない。おそらく、ただの人間じゃよ」

 

その事態を打開する力となるのは、新たに未来から呼び出した十年後の自分。その助言に基づき、もう一人の自分を受け入れ放つのは、本質の力。そしてリフは自分の推論を話す。自分の技術が通用する以上、恐らく女神とは人間だと。

 

いよいよ整う戦いの準備。果たして生き残るのはジード達か、それともアステアか。

 

シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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