読書感想:TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す9 上 ~ヘンダーソン氏の福音を~

 

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読書感想:TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 8 ~ヘンダーソン氏の福音を~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品は毎巻、作者様であるSchuld先生により九割以上の改稿が行われているらしいが、いつも思うのだが九割以上改稿したら、それはもう新作と言えるのではないだろうか。それはともかく、今巻では何を描いていくのかというと。web版では詳しく触れられなかった、エーリヒの氏族の結成、そのお話である。

 

 

 

 

冒険をするのなら、柵があってはいけない。ならば縛られぬ為にはどうすればいいのか。簡単である、力を得ればいい。囲い込まれぬようにする力が。そしてエーリヒとマルギットは無論であるが、今やジークフリートとカーヤも辺境における注目株。ならば囲い込まれる前に、力を得ねばならぬのだ。

 

「今、向こうの台所事情は相当に厳しいらしいわ」

 

二か月にも及ぶ樹木の迷宮の冒険から何とか帰還し、春を迎える中、ゆるりと一休み、という訳にもいかなかった。エーリヒに届いたのは組合長からの直々の呼び出しの手紙。呼び出される覚えもない、どう見ても地雷なこの呼び出し。一先ずアグリッピナに助力を仰ぎ、今、辺境は前線指揮官級の人材が不足しているという話を聞き。一先ずは彼女からの依頼を受けている、という事にし、予想される取り込みから一先ず逃れる事には成功する。

 

「ん? 今何でもするって言ったよね?」

 

「言ったが?」

 

しかし、ジークフリートの方にも取り込みの一手が迫っていると言う事を知り。一先ずどうすれば、というアイデアとして氏族を創る、という案を出し。ロランスやナンナ、フィデリオに話を聞き、必要なものを聞き出して。氏族結成の準備に向けて動き出していく。

 

 

「俺を、俺をどうか舎弟にしてやってください!!」

 

 

・・・・・・しかし、結成の時は意外と早く来た。エーリヒの英雄譚を聞き顔を拝みに来た新人冒険者が、彼にぶちのめされた事で惚れ込んで。気が付けば四人の舎弟を作り、普通の氏族とは違う方向へ。彼等の依頼のマネジメントをしたり、更には武芸だけに限らず宮廷語やマナーまで教えたり。 気が付けば彼の周りには、舎弟がたくさん集まって。一冒険者、としてだけではなく、まるで経営者のような仕事もこなすことになり。 後に「剣友会」と名付けられる集まりが出来ていく。

 

「さぁ、枕を蹴っ飛ばすぞ! 腹ぁ括れ皆の衆!」

 

そして、最近蔓延している麻薬の大元を潰すと言う大役に全員で向かおうとする中。懇意にし始めた情報屋、シュネー(表紙)が謎の刺客により重傷を負い。事態は一気にきな臭さを増していくのだ。

 

 

組織を作る事で、新たな面白さが広がる今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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