前巻感想はこちら↓
読書感想:変人のサラダボウル4 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、今巻においてはキャンペーンで当選したために私、真白優樹がリアルの実名で登場しているので、読者の皆様、もし興味があれば探してみても面白いかもしれぬ。真白優樹、らしい名前とは何なのか、無論個人情報であるが故に明かせぬが。それはともかく、今巻では何が起きるのかと言うとであるが。今巻においては「恋」と「愛」のお話が待っているのである。
「あら、憶えてないなんて酷いわね惣助クン」
前巻の最後、惣助の隣でブレンダが裸で同衾しているという事件が起きる少し前。望愛を勝たせるはずが彼女の自白により負けると言うまさかの事態、それを慰める為に二人で岐阜横丁内の飲み屋を梯子し。結果的に酔いつぶれた惣助に家まで連れ込まれるも彼が寝てしまい。ブレンダ自身も酔った頭で一つ攻める為の手を考え。しかし探偵であるが故に惣助は何事もなかった、と言う事を一瞬で看破する。
が、しかし。彼女の印象は惣助の中で書き換わり、その様子が頭の中から離れなくなって。そんなブレンダを見て、春花も勇気を出して惣助の誕生日にちょっとだけ勇気を出してみたり。
『―――プレゼントは、私の人生全部だ』
が、しかし。今巻で一番の躍進、スポットが当たっているのはリヴィアである。ひょんな事から仕えることになった主、命のボディガードとして振る舞う中、地下闘技場で実力者と拳を交え、命への襲撃のせいで中途半端になって、昂った身体を命と一線を超える事で沈めたり。そんな中、難病により余命いくばくもない彼女の願いをかなえる為、絶縁している極道のボスの父親の元にカチコミをかけ、縁を繋いだり。しかし病魔は容赦なく主の命を奪っていく。だけど、彼女が最後に遺したものを受け取って。リヴィアは「命」という人間として、この世界における居場所と縁を手に入れる。
「やっぱお前、芝居向いてるわ」
無論、沙羅もまた縦横無尽に中学生としての生活を楽しんでいる。演劇祭でヒロインを務める事となり、主役として涼子を抜擢し。探偵のひみつ道具という建前で魔術をこっそりと使い、ド派手で最高な舞台を演出して見せる。
そして、彼女の元にやってくるのは新たな始まりの予感。東京からやってきた大人が持ってくるのは新たな世界への誘い。その誘いに沙羅が乗るのかは、次巻のお楽しみである。
恋愛成分マシマシ、更に泣きの要素まで持ち出してくる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。