読書感想:変人のサラダボウル6

 

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読書感想:変人のサラダボウル5 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、前巻においては泣きの要素も入れてきた今作品。リヴィアは命の全てを受け継ぎ、「剣持命」という人間になった訳であるが。そんな方向に突き進んでしまえば裏社会から逃げられなくなる、と思われる人もいるかもしれない。その辺りに関して描いていくのが今巻であり。リヴィア、騎士ではなく扇動者とか王とかそっちの方が向いているのでは? と首を傾げてしまうのが今巻であるのかもしれない。

 

 

沙羅が表のカリスマであるのなら、リヴィアは裏のカリスマ、と言えるのかもしれない。裏世界の者達を先導する彼女は果たして何処へ行こうと言うのか。

 

「今リヴィアちゃん、岐阜の裏社会で一番注目されてる人だから」

 

一先ずリヴィアは戸籍を得た事で、人生を謳歌していた。戸籍と銀行通帳があればできるフードデリバリーの配達員に登録し、配達中に無自覚に犯罪組織を壊滅させたりしつつも、だが。 そんな彼女は自分が注目を集めてしまっていると知り、まっとうに生きる道を探そうとするも、知っての通り反社の人間が表社会に復帰すると言うのは中々難しく。望愛の身元引受人になる、という目的の為にも、ブレンダに知識を仰ぎ、まずは白銀組を解散させた後、他二つの組織を統合して会社を作り。社会的な信用を得る為に行動を開始する。

 

「それなりに興味はある、くらいの感覚じゃな」

 

そうとは知らず、東京の事務所からスカウトを受けた沙羅も一先ず見学だけでもと言う事で、惣助と共に岐阜を飛び出して東京に行き。事務所にて沙羅がデビューしたらコンビを組む予定の、猫被り系女子である陽葵と沙羅は友誼を結ぶ。

 

さてさて、何かが動き出そうと言う予感の中で何が起きるのか。その動きが一つの結実を迎えるのは一気に飛んで二年後。新たにホストクラブを始め大儲けしながら女社長として飛び回るリヴィアは、バンドマンとしても再デビューの時を迎え。

 

(ままならないもんだな、世の中・・・・・・)

 

その裏、あまり変化のない惣助の探偵事務所には高校生となった友奈が探偵見習のバイトとして加わり、何かが始まろうとしていく中。そう言えば、と忘れそうになっていた異世界側にも動きがある。ここにきて、新たな異世界人の追加が来るのである。

 

 

より混沌、いつもの空気感に戻る中。更なる面倒事の予感がしてくる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: 変人のサラダボウル (6) (ガガガ文庫 ガひ 4-20) : 平坂 読, カントク: 本