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読書感想:全力回避フラグちゃん!2 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、一巻、二巻ともに様々な世界でその下種さを見せつけてきた、仮想人格ことモブ男であるが、そんな彼にフラグちゃんは惚れ込んでいる訳である。蓼食う虫も好き好き、と言うがその蓼食う虫は果たして本当にフラグちゃんだけか、と言われると画面の前の読者の皆様はどう思われるであろうか。ドタバタなだけでは、足りぬと言うのなら。ここにスパイスを混ぜ込んでいくのなら。やはり恋のライバル、という存在が必要なのであろう。
「モブくんを賭けて―――フラグ回収の、勝負を挑むわ!」
前巻で閉じ込められた仮想世界から何とか脱出し、モブ男を練習台にフラグ回収の日々に励むフラグちゃん。そんな彼女に近づく影が一つ。その名も死神№51。「失恋フラグ」。ひょんな事からモブ男に恋をしてしまった彼女がモブ男を好きにする権利を巡り、フラグちゃんに勝負を挑み。それぞれフラグを五回、何方が先に回収することができるかという勝負で激突する事となる。
ある時は失恋フラグの主導で買い物に行ったり、またある時は絶対に沈まぬ船に乗ってドタバタを繰り広げたり。ある時は失恋フラグの休日を間に挟み、更には皆で混浴したりして。そんな中、他のフラグ達に温かく見守られながらフラグ回収に励むフラグちゃんを不穏な目で見る影が一つ。その名も死神№1。常に神様の側に侍る最高の死神である。
神様に愛情を抱く彼女にとってはフラグちゃんは邪魔な存在、その彼女の元に持ち込まれたのは、神様からの最近の仮想世界の不具合に対する相談。その相談が介入する絶好の機会を得る事になり。フラグちゃんを貶める為、死神№1は仮想世界の改変を始める。
彼女の改変により、「死亡フラグクラッシャー」と化すモブ男。正にそれはフラグちゃんにとっては天敵のような存在、死亡フラグが立ったそばから叩き折ってくる彼に対し、どうすればよいのか。
「貴方のそういうところ、私、大好きですよ」
だが、救いは意外な所から。それはクズで下種だけれど一応いい所はあるモブ男の、咄嗟の行動。その優しさと、フラグちゃんの優しさを上回る感情が芽生えた時。彼女は死亡フラグとして殻を破ると共に、死亡フラグを掴み取って見せるのである。
だが、戦いは未だ互角。そして死神№1の暗躍もまだ終わっていない。だからこそ、本番はここからとも言えよう。
前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
全力回避フラグちゃん!3 (MF文庫J) | 壱日千次, さとうぽて, Plott, biki |本 | 通販 | Amazon