読書感想:全力回避フラグちゃん!5

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:全力回避フラグちゃん!4 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 

 さて、前巻で意外な黒幕による神様人質事件も解決した途端、モブ男の身体が崩壊し始めると言う波乱が巻き起こった訳であるが。その犯人を、この作品を読まれている読者様であればご存じであろう。死神№1、最初の死神の仕業である。彼女の仕掛けたバグがいよいよ炸裂し、一連の問題の決着を一先ずつける方向に向かっていくのが今巻である。

 

 

 

「俺って、普通の人間じゃないよね」

 

 

モブ男の身体の崩壊が進み、様々な世界での彼の記憶が統合されゆく中。死亡フラグたちは何とか彼の身体の崩壊を食い止めようとするも、死神№1の陰湿な手が続き、結局崩壊を止めることは出来ず。神様もその善良さ故に彼女を疑う事のない中、モブ男のデータの断片を求め、いつもの四人で、パソコンでいうゴミ箱、データの墓場へ赴く事となる。

 

何かあれば天使たちであっても一巻の終わりの深層、データの墓場。当然死神№1からの妨害の手は飛んでくるも、生存、恋愛、失恋の三人は自分の壁を乗り越え断片を回収する事に成功し。更には恋愛フラグに正体を看破され。焦りに焦りを重ねた№1は、自分が黒幕であることを明かしフラグちゃんに直接対決を挑んでくる。

 

 

駄々っ子のような彼女と、フラグちゃんの勝敗を分けるのは、優しさと言う新たな在り方。何とか四つの断片を手に入れる事には成功するも、№1の手によりプログラムの墓場の大掃除コマンドが実行されてしまい。四人の消滅の危機が、いきなり容赦なく訪れる。

 

迫る消滅の危機、それを何とかできるのは復活したモブ男だけ。簡単な事だ、彼女達はフラグが立ったところに現れる、ならばフラグを立ててしまえばいい。四人分のフラグを立て、全員を救い出すことに成功し。一件落着の後、神様から告げられたのはモブ男をプログラムではなく人間として作り直したという事。 お詫びも兼ねて望めばどんな生活も、しかしその代わりにフラグちゃん達四人とは永遠のお別れ。突然に突き付けられた二択に悩む中、フラグちゃん達の思いを受け。モブ男は自分の心で、本当の心で答えを出していく。

 

「やっぱり俺は、この四人と一緒にいたい」

 

優しさで一杯、死神らしくない彼女。そんな彼女達もこれからも。練習台として人間として、天界で暮らす事を望み。やっぱり平常運転な、日々が始まるのである。

 

しかし、人間になったと言う事は、簡単には死ねなくなったという事。そして新たな出会いがすぐ待っている。人間になった彼には、天敵とも言えるフラグとの出会いが。

 

新たな展開が始まっていく今巻、シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: 全力回避フラグちゃん!5 (MF文庫J) : 壱日千次, さとうぽて, Plott, biki: 本