読書感想:私より強い男と結婚したいの2 清楚な美人生徒会長(実は元番長)の秘密を知る陰キャ(実は彼女を超える最強のヤンキー)

 

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読書感想:私より強い男と結婚したいの 清楚な美人生徒会長(実は元番長)の秘密を知る陰キャ(実は彼女を超える最強のヤンキー) - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、喧嘩は最強、しかし恋愛面はクソ雑魚。空回り気味のぽんこつな雫花と、ラブコメ主人公の中でもかなりのレベルの鈍感である秋良のラブコメである今作品。しかしラブコメが中々に発展しないのは何故だろうか。無論彼等が筋金入りのぽんこつと鈍感である、というのもある。しかしそれだけではない。何故ならば、彼等はヤンキーと言う柵があるからである。柵があるからこそ、彼等の元にはヤンキー達が次々とやってくるのである。

 

 

それは彼等にとっては、逃れられぬもの。そして彼等が片付けるべき問題。だからこそ彼等は毅然と立ち向かう。そこで求められるのだから、彼等の力が。

 

「どうして!? どうしてそこで好きって言えないの!?」

 

前巻の騒動から少し経過した後、雫花と秋良は見事恋人同士に・・・なっていなかった。それどころか告白した筈なのに空回りしてしまい。思わず美蘭に呆れられてしまう程に、夏休みを前にして何も進展していなかったのである。

 

 更にしかし、状況は雫花に優しくもない。夏休みを前に、隠れていただけの学校内の様々な場所での問題が白日の元に晒されてしまい。生徒会長として放置しておくわけにもいかず、そんな彼女を一人にしておくわけにもいかず。雫花と秋良は生徒として、時に伝説の番長として。陰日向に立ち向かっていくのだ。

 

テニス部の元エース、未希に絡みつく問題。体罰の噂があるテニス部の、病巣である顧問が秘めている秘密。

 

知己の相手である教師の香織。彼女に迫る親ほどの年齢の離れた中年教師に握られている秘密。彼女がひた隠しにしたい、教師としては恥ずべき過去。

 

「お疲れ様です、サイレント・ライオット」

 

「お待たせしました、番長」

 

 下手人は、まごう事無き「悪」。そして悪の元に集うは身の程知らずのヤンキー達。そんな奴等を許す訳はない、のさばらせておく訳もない。前巻とは違い、番長同士として。我の顔を見忘れたかと言わんばかりに颯爽と二人で駆けつけ並び立ち、番長としての力で二人は片付ける。

 

颯爽とした無双劇の裏、もどかしくもデートをしたり、先生の尾行の中でキスの振りをしたり。三歩下がっているように見えて三歩と二分くらいは進んでいく彼等のラブコメ。だが、新たな波乱はすぐそばまで迫っている。彼等の町の外側から、新たな脅威が現れようとしている。

 

「俺に、あなたを守らせてくれませんか?」

 

そんな中、秋良の思い切った一言が雫花の心の中に招いた、致命的な勘違い。気が付かぬ間に食い違ってしまったその認識は何を生むのか。

 

まるで成敗系時代劇が如き面白さの出てくる。確かに一つ、面白くなる今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。 きっと貴方も満足できるはずである。

 

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