読書感想:社畜ですが、種族進化して最強へと至ります3

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前巻感想はこちら↓

読書感想:社畜ですが、種族進化して最強へと至ります2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で一難去ってまた一難、とでも言わんばかりに何者かの陰謀によって逮捕され、世間一般的には凶悪犯となってしまった主人公である社畜、秋人。囚われているからにはどうしようもなく、動きようもなく。しかし、彼を救おうとする者達が行動を開始するのが今巻であり。そして同時に、戦いが一定の終着点へと辿り着くのが今巻なのである。

 

 

秋人を取り戻す為に、鬼沼の主導により始まる、和葉のネットアイドル化計画。荒唐無稽に見えたその計画は、まるで化学反応のように驚くような効果を生み。いっそ驚くほどに受け入れられていく。

 

 その裏で進む、秋人を罠に嵌めた者が何者かという調査。その調査の中で浮かぶのは、警察と陰陽師の汚い癒着とでも呼ぶべき関係性。しかし、陰陽師は一枚岩ではなかった。今、陰陽師達は新しい道を進む者達と、旧来の権力により支配される組織に属する者達に二分され、激しい対立を繰り広げていたのである。

 

陰陽師は全て敵ではなく、利用できる奴等とて存在する。しかし、策略を巡らす中。突如として新たな戦い、占拠された東京を舞台とする戦いが幕を開ける。

 

 東京の各所を舞台に始まる、世界を股に掛けた戦い。その戦いの中で巡るのは、それぞれの勢力の強者達の思い。

 

解放され戦いに身を投じる秋人の思い。彼を見つめ、一つの決意を固めるクロノの思い。人間界の数多の強者達の思い。そして、異界から来たりし鬼の神の思い。

 

戦いの中、秋人の記憶は過去へと回帰し、自らの中にあった記憶を取り戻し。そして思いを継いだ者から全てを託され、彼女は自らの意思で己が身を捧げ。全ての思いを受け継ぎ、秋人へと最強の進化の時が訪れ。その進化が、戦いの命運を握る鍵となる。

 

「ただいま、野獣」

 

 そして、全てを乗り越えた先。少しだけ変わってしまった世界で。彼と彼女は再びの再会を果たす。何かがいい方向に進むかはわからない、けれど確かに変わってしまった世界で。その再会は、彼を進ませる鍵となる筈である。

 

彼と彼女が別れ、また出会う。そんな王道なロマンス的な面白さが、幾度となく連鎖する戦いの中で駆け抜けていく今巻。

 

シリーズファンの皆様、どうか最後まで見届けてみてもらいたい。

 

最期の光景、きっとそこに満足が待っている筈なので。

 

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