読書感想:社畜ですが、種族進化して最強へと至ります2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:社畜ですが、種族進化して最強へと至ります - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、大きな力は時に破滅を齎すものだと言うけれど、大きな力を一番持たせてはいけない人種とは、果たしてどんな人種であろうか。その答えは、画面の前の読者の皆様それぞれの中にしかないのかもしれない。だが一つ、確かに言えることがある。力とは、ただ力であり。使う者の心次第で善にも悪にも、容易に変わるという事である。

 

 そう言う意味では、力を持たせてはいけない人種とは、邪な心を持つ者であるのかもしれない。

 

が、しかし。前巻の一連の流れを読まれた読者様であればもうお分かりであろう。この作品には基本的に頭のネジの外れた悪人が数多く存在する。そしてそんな奴等に力が与えられてしまったからこそ、この世界は既にヤバい状況なのである。

 

そんな事もつゆ知らず、いつも通りの社畜な毎日と同時にダンジョン攻略を繰り広げながら、クロノに振り回されたりと変わらぬ日々を過ごす秋人。

 

 が、しかし。彼の平穏は唐突に訪れたヤクザの手により打ち破られ、彼は唐突に祖父が遺したと言う借金、五千万円を背負わされてしまう。

 

今までに稼いできた魔石をきっちりと換金し、更には謎の男、鬼沼との人脈も築き。容易く返済の準備を整える秋人。

 

 が、しかし。彼の前に怪盗ラビリーと名乗り現れる者が一人。秋人の同僚である雫である。

 

聞けば秋人と似たような経緯で借金を背負わされた身。けれど、お互いどうしてもそんな事を親族がするようには思えず。秋人はとある一つの可能性に思い至る。それは二人の共通の借金相手、極道である「獄門会」が偽装系の能力で借金を偽造し金を巻き上げていると。

 

 そして始まるのは、獄門会との決戦。だが、事態はそれだけに留まらない。人間侵略ゲームに負けた夜叉童子もまた、強き決意と共に動き出し、和葉の母親も属する弱小会社、「イノセンス」もまた、秋人の力を借りたいと縋ってくる。

 

「甘えるな。世の中、そんなに甘くはない。第一、俺にお前らの話を聞くメリットがない」

 

口ではそう言い、どこまでもドライに、冷淡に、現実的に。だが、状況は秋人に安息を許さず、世界の変化は何処までも止まらない。そして、邪なる者達の思惑もまた、止まらないのだ。

 

一難去ってまた一難。果たしてこの先、どんな展開が待っているのか。

 

前巻を楽しまれた読者様、危険な奴等の大騒ぎと陰謀が好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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