読書感想:追放された落ちこぼれ、辺境で生き抜いてSランク対魔師に成り上がる5

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:追放された落ちこぼれ、辺境で生き抜いてSランク対魔師に成り上がる4 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれている読者様がこの巻の感想を読まれている、という認識の元に今巻の感想を書いていくわけであるが、もう今巻では何をやるかはもう皆様、お分かりであろう。その答えはもはや一つ。人類側の「裏切り者」との決戦、ただそれだけである。

 

 

「裏切者」の名、その名はサイラス。人類側の最高戦力の中でも最強の者であり、人類の闇に触れその闇の中で大切な者を喪った事により、自身の心もまた闇の中に囚われてしまった者。サイラスが勝ってしまえば、人類は滅亡するしかない。それを止めるのはユリア達の役目に他ならぬ。

 

 だがしかし、彼の、そして人類側の戦力の行く手を阻むのは魔物だけに非ず。サイラスと手を組んだ「七魔征皇」達が彼等の前に立ち塞がり、行く手を阻むのだ。

 

自由に魔法の性質を入れ替える七魔征皇、ヴェルナー。かつてユリア達と矛を交えた炎の魔族、イフリート。ベルの師匠の仇、アルフレッド。そしてサイラスの協力者である実力者、クローディア。

 

七魔征皇とぶつかり合い、ベルとクローディアがぶつかり合う中。一人サイラスの打倒を任されたユリアは、リアーヌを退け聖域を手に入れようとするサイラスと対峙する。

 

だが、やはり彼との戦いは一筋縄ではいかぬものであった。戦闘中に一足飛びに成長していくユリアでも及ばぬ程にある力の差。それはサイラスが「黄昏症候群」を完璧に克服していたから。正しく「覚醒」、「新人類」とでも言わんばかりの圧倒的な力を前に善戦するも、力及ばず倒されるユリア。

 

「それでも・・・・・・先に進まないと」

 

 生と死の狭間でたどり着いた、人の思いが集う世界。かの世界でリアーヌの手により垣間見たサイラスの過去と打倒への鍵。それは黄昏を許容し受け入れると言う事。例え魔族に近い力だとしても、それを受け入れる。彼の事を止める為に、決着をつける為に。その許容が為された時、ユリアは覚醒を果たし次の段階へと足を踏み入れ。サイラスとの戦いに決着をつける事となる。

 

だがしかし、失ったものはあまりにも大きく、七魔征皇はユリアの覚醒さえ導ければそれでいいと嘯き、姿をくらませる。

 

この内乱も全て敵の掌の上。そうだとしても、既に賽は投げられた。人類は生き延びた。だからもう進むしかないのである。

 

一つの戦いが、激しい戦いの先に終わる今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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