前巻感想はこちら↓
読書感想:無自覚チートの箱入りお嬢様、青春ラブコメで全力の忖度をされる - 読樹庵 (hatenablog.com)
アオハルしなきゃ世界が滅亡、そんなとんでもない前提条件の元にこの作品は青春を繰り広げている訳であるが、画面の前の読者の皆様はこうはお思いではないだろうか。・・・果たして、世界の滅亡に至る条件と言うのは、本当に琥太郎と撫子の周りにしか存在していないのだろうか、と。
その疑念を抱かれた読者の皆様、その疑念は間違っていないと最初に言わせていただこう。何でそんな所にフラグが、と思わずツッコみたくなる程に、この世界、滅亡フラグ多すぎじゃねと思わず苦笑してしまう程に。この世界は滅亡フラグに溢れている。
しかし、今巻の滅亡フラグを担うのは琥太郎と撫子ではない。学校の行事である林間学校、その班員として友達となった級友のオタク、祐とギャルである天里沙である。
口を開けば喧嘩の始まる犬猿の仲、そんな二人がどう世界の滅亡に関わるのか。それは未だ分からぬけれど、とにかく林間学校のキャンプファイアで二人が踊らなければ世界が滅亡するという条件は示される。
そして、この二人が関わるのはそれだけに非ず。二人が関わるのは言わば生誕フラグ。何を隠そう、この二人はクラス委員長であり未来からの使者である美玖の、未来での両親である。
一体この二人が、どうすれば将来学生結婚する程の夫婦になるのか? それも分からぬ、けれど二人を結ばせなければ世界が滅ぶ。
皆で共同作業でカレーを作ったり。夜中に女子組が男子組の部屋に来て盛り上がってみたら教師の抜き打ちの襲撃を受けたり。 林間学校の定番イベントを過ごしていく中、迫っていく祐と天理沙の関係性。元は幼馴染として仲良しであるも、過去の小さな勘違いによりすれ違ってしまった二人の過去。
越えるためにあれこれ考えを巡らせ、結果的にアオハルを駆け抜ける中。不意の遭難に見舞われ。協力して危機を乗り越え、二人の関係性をやり直せさせる所まではいくも、キャンプファイアは無情にも中止となってしまう。
最早世界の滅亡は止められぬのか? 世界の運命は決められてしまったのか?
「―――だから言っただろう? 華麗に一発逆転で〈運命〉ってヤツを変えてやるって」
否、諦めるのはまだ早い。何故ならば、こちらには撫子という一発逆転の切り札がいるから。アオハルの為なら世界の因果も捻じ曲げる、最強の女神様がついているのだから。
また一つ運命を越え、その先に生まれた新たな思い。それが導くのは未来か、それとも破滅か。
前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
無自覚チートの箱入りお嬢様、青春ラブコメで全力の忖度をされる(2) (電撃文庫) | 紺野 天龍, 塩かずのこ |本 | 通販 | Amazon