さて、画面の前の読者の皆様の中にも、例えば仕事や日常生活等で何かしらの道具を使われる人は必ずいる、寧ろ何の道具も使わないと言う人はきっといないだろう。では「道具」とはどこまでいっても「道具」という認識の読者様はどれほどおられるのだろうか。例えば、何かしらの動物を仕事で相棒とし仕事に励む方もおられるだろう。果たしてそういう人達にとって、「相棒」は「道具」であろうか。「道具」以上の愛着も、絆もある筈である。
様々な種類の竜種が生活に根付き、今や生活になくてはならぬものになっているとある異世界。当然ながら竜は人々の隣にいる良き隣人であり、彼等を使役する竜騎士は人々の憧れの花形職業であった。
そんな世界の片隅、とある国。超一流の竜騎士たちが集うS級ギルド「リントヴルム」から追放された少年が一人。彼の名はシリル(表紙中央左)。彼は未熟であったから追放されたのか。否、そういう訳ではない。
彼が追放された理由、それはドラゴンを道具として悉く利用しようとする「リントヴルム」の考え方と、意見が合わなかったから。彼は只一人、竜を道具として見るのではなく、敬うべき存在であり、大切にするべき存在だったのである。
追放された彼は、手詰まりになる・・・かと思えばそうではなかった。一体彼は何故、生活に困らずに済んだのか?
それは、彼だけが持っている秘密の力のおかげ。竜に育てられたわけでもないのに、何故か彼は竜の言葉を理解し、竜と本当の意味で話し合う事が出来たのである。
そんな力があるからか、竜の望みを聞く事が出来るし、それを否とするのではなく是とし、その願いを尊重できる、この世界においては珍しいどころか唯一なのかもしれない人格者な心がある彼。
だからこそ、ここから始まるのである。誰にも予想できぬ、彼だからこその快進撃が。無双でどんどんと突き進んでいく、爽快感に溢れる物語が。
竜の願いが分かるからこそ、本当の意味で心を通わせてくれる。そんな彼を竜達は慕い、共に進まんと心を寄り添わせていく。
一日十二時間の睡眠を要求する代わりに、強き力を持つルイーズ(表紙左)。どこかツンデレめいた性格を持つ、勝気な乙女のコレット(表紙下)。神が如き力を持つ、伝説の竜の一体、クリス(表紙右端)。いずれも曲者揃いの竜達が彼の元に集い、その力を貸していく。
更には竜だけではなく人間まで惹きつけるかのように、とある極秘任務で助けた姫様(表紙中央右)のように、彼を慕う者達も彼の元に集っていく。
「竜を大切にしているだけだ」
だが、決して驕る事無く。初心を忘れず、ただそれだけを貫き彼は進んでいくのである。
爽快感のある作品が好きな読者様、なろう系の王道追放ファンタジーが好きな読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
S級ギルドを追放されたけど、実は俺だけドラゴンの言葉がわかるので、気付いたときには竜騎士の頂点を極めてました。 (ファンタジア文庫) | 三木なずな, 白狼 |本 | 通販 | Amazon