前巻感想はこちら↓
読書感想:男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ? - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、男女の友情、そしてビジネスパートナーとしての友情を描き、新感覚のラブコメとして今話題をかっさらっているこの作品。だが、前巻を楽しまれた読者の皆様であれば覚えておいでであろう。主人公である悠宇と日葵は、お互いの中に芽生えた恋心に気付きつつあると言う事を。
友情ではなく恋。果たしてそれは良い物なのか、それとも悪いものなのか。友情に恋は必要か、はたまた不要か。だが、確かに変化は始まってしまった。そして変わり始めてしまったのであれば、もはや止まる事は許されぬ。
「ゆ、悠宇め、やってくれるじゃん・・・・・・」
何気ない相手のスキンシップ、態度に心揺らされながらも表面上はいつも通りの余裕を保ち。だが、変化の炎に薪をくべ油をぶっかけるかのように、新たな波乱が巻き起こる。
それは、悠宇がアクセサリー作りに集中し過ぎたが故に中間試験の答案用紙を全部白紙で出してしまったという事、更にクリエイターとしての悠宇の身バレである。
怒涛の如く巻き起こる波乱の中、表面化するのは親友同士でありながら対等ではない悠宇と日葵の関係性。並び立つのではなく、どちらがどちらかに、まるで依存するかのように寄りかかって出来てしまった今の関係。
「だって、ゆーくんのこと好きなんだもん・・・・・・」
隣にいるけれど特別ではない、だけど隣は譲れない。しかし、今。強力なライバルはすぐ側にいる。自分の好きな悠宇であってほしいと願う日葵とは違い、全部を受け止めると宣言する凛音が。
真の親友であるためにはまだ足りぬ。両想いになるにはまだ遠く。もどかしい関係の中、悠宇を襲うのはいつかは来るはずだったクリエイターとしての試練。自らの好きを否定され傷つけられた時、何を思いどう進むのかという大切な道を見出す為の関門。
心折れ道を見失い。そんな彼を突き放す日葵。
「だから、作りたくなったら、いつでも言ってね。アタシ、ずっとここで待ってるから」
だが、その言葉もその想いも、逃げではなく立ち向かうための想い。運命共同体として、ビジネスパートナーとして。彼女が願い選ぶ、彼の支え方、受け止め方。
恋心は綺麗なだけじゃない。時に呪いだ。醜い呪縛だ。けれどどんな醜い種でも、大輪の花にだってなれるから。
支えるのは凛音も出来る。けれど、ぶつかり合ってお互いに立ち直らせるのは、日葵だけにしか出来ぬ。
恋と友情と夢。青春の瑞々しい日々の中、思春期そのものの感情をぶつけ合いお互いに成長していく悠宇と日葵。
だが。その深まりは諸刃の剣。深入りする程に戻れなくなる。そしてもう、ゴメンナサイじゃ終われない、止まれない。
青春ど真ん中の瑞々しさ溢れるラブコメが好きな読者様、前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 2. じゃあ、ほんとにアタシと付き合っちゃう? (電撃文庫) | 七菜 なな, Parum |本 | 通販 | Amazon