読書感想:月刊ニュータイプ 2021年5月号(忘れさせてよ、後輩くん第二回)

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さて、今宵も録りためたアニメを消化されている画面の前の読者の皆様はどれほどおられるのだろうか。そろそろ各アニメの第一話も放送され、皆様の心の琴線に触れる作品も見えてきたのではないだろうか。因みに私の現時点での推しアニメはスーパーカブ、SSSS.DYNAZENONである。ではここからは、私的な本命であるあまさきみりと先生の連載小説、「忘れさせてよ、後輩くん」第二回についての感想を書いていきたいと思う。 

 

(以下より感想)

 

「陽炎の夏」、それが始まると告げられた夏梅の脳裏に去来する春瑠との恋の始まり、初恋を抱いた日の記憶。両親が離婚し、歪んだ教育思想を持つ父親に育てられる事になり、窮屈な日々の中で光になってくれた彼女。

 

「・・・・・・失った人以上の大切な存在に・・・・・・なってあげることね・・・・・・」

 

そんな彼女への想いは否応なく高まる。そう、もう止まっていたはずの恋心は動き出している。道程のヒントを母親から貰い、春瑠を探し飛び出す夏梅。

 

見つけた彼女をスクーターの後ろに乗せ各地を回り。学校をサボって市民プールで泳ぎの特訓をしたり。

 

「・・・・・・いつの間にか冷めきった大人になったんです。私も、夏梅センパイも」

 

昼休みになってようやく登校した学校、一人でいつもの場所にいた冬莉と過ごす久しぶりの昼休み。

 

 確かに今までは冷めきっていたのかもしれない。けれど今、もう彼の心は動き出している。久しぶりの充足を拒まず、受け入れるその心は変化の萌芽の証。

 

 

だが、まだ何も始まっていない。「陽炎の夏」の現象はまだ始まっていない。なればこの先、果たして何が起きてしまうのか。

 

来月号ではいよいよ始まるのか。この切なさと寂寥の中の変化に否が応でも期待が高まる第二回である。

 

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