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読書感想:本能寺から始める信長との天下統一 4 - 読樹庵 (hatenablog.com)
問:大名の妻として必要なものを答えなさい。
答:跡継ぎ。
テスト風の前振りはさておき、この時代の日本はまだまだ封建的な社会である。女性は男性を立てるものであり、大名の妻たるもの家の為に尽くし跡継ぎを作る事が求められる。
そして五巻にして、いよいよ信長様が動き出す。将軍の位を嫡男である信忠に譲り、戦国に夢を置き忘れた者達を引き連れ、大航海時代を迎えつつある世界へと乗り出していく。その大規模な新たな時代の潮流が生まれてくるのが今巻である。
そも、この時代の日本はまだまだ狭い。日本と言っておきながらも、まだ現在の沖縄と北海道は実効支配していない状態である。つまり、まだまだ切り取れる土地は残っているのだ。
新たな時代が今より幕を開ける中、生まれ出る者がある。それは真琴の血を継ぐ者、彼と姫達の子供である。
「統治に専念してばかりでなく、早く子を作れ、しかも姫を」
常陸国の統治と整備に奔走する中、信長様からも孫の嫁とするからと急かされ。頬を搔きながらも苦笑する真琴に齎された朗報。正室である茶々の妊娠の知らせ。
この知らせは朗報であると共に、新たなる嵐を告げる知らせであった。茶々の妊娠、そしてお江も側室となり家族の一員となった事で、側室たちの真琴の子種争奪戦が巻き起こったのである。
領内に蔓延る人身売買問題にも立ち向かい、家の中でのちょっとしたぶつかり合いにも対応する事となり。
だが、慶事は続くと言うべきか。家臣を募集したところ、新たな有能な家臣達を手に入れ。視察に訪れた伊達領で真琴は新たなる側室候補達と邂逅する。
彼女達の名は小糸(表紙)と小滝。雪焼けによるナチュラル黒ギャル(真琴談)の、厳しき世の中の中で姉妹で力を合わせて必死に生き延びる彼女達。
「そっか、良い経験したね。知識は武器、二人にはその知識伸ばせるよう考えないとね」
他の男達とは違い、自分達の事を真っ直ぐに考えてくれて優しく接してくれる。そんな真琴に惹かれ、彼についていく事を決める彼女達。
彼女達も側室に加え、更には新たな有能な家臣達にも恵まれ。益々の発展を遂げていく黒坂家。その投手である真琴が見守る中、海外へと元気よく飛び出していく信長様。
幕府を作って止まると思われただろうか。否、そんな訳もない。まだまだ世界は広いのだから。
本格的に開いた新たな歴史の扉の先、未知の歴史は幕を開ける。
シリーズファンの読者の皆様。何かを創り出す喜びが好きな読者様にはお勧めしたい。
きっと貴方も満足できるはずである。
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