読書感想:我が弟子が最も強くてカワイイのである2

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問:弟子の成長に際し必須のものを述べよ(配点15点)

 

答:実力伯仲の好敵手

 

 

前巻感想はこちら↓

https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/02/20/232901

 

好敵手とは、バトル系の作品にはお馴染みの存在であり、大抵の作品において存在しているはずであろう存在である。しかしこの作品には一巻の段階においては好敵手と呼べる存在はいない。それは何故か。その理由はテオに鍛えられたアリエッタが同じ年ごろの中では無敵すぎて、何歩も先を進んでいるからである。

 

そんな彼女の前に現れる好敵手となり得る存在。それは三英雄最後の一人である勇者に鍛えられ、かつてテオが作り上げた武器を所持する少女、ヴィオラ(表紙)である。

 

アリエッタが努力家の秀才タイプであるなら、ヴィオラは感覚派の実践タイプであり、一度感覚を掴んだのなら直ぐに実用段階まで持っていける、一種の天才である。そして彼女が持つ武器もまた、防御不可能の一撃を叩きこむという強力な魔術を放てる強力な武器である。

 

そして、彼女の師匠である三英雄、最後の一人。勇者フレア、テオの因縁の相手。彼女もまた、曲者であったのである。

 

どう曲者なのか。ガーディフがテオに振り回されながらもちゃっかり成果を上げていくタイプの回り道的な曲者であるなら、フレアは直球タイプの曲者である。それもその筈、テオへの好意を隠さず押せ押せどんどんと言わんばかりに迫る彼女は、かつてテオの言葉で人生を救われた者であったからだ。

 

そんな彼女に振り回され、溜息を吐きながらも。今巻もテオは不敵な笑みを浮かべながら、大会に悪意を持った罠を仕掛けようとする魔族達を殲滅していく。

 

それはもう、圧倒的に過ぎる程に。決死の覚悟で挑んできた魔族が必死に攻撃を仕掛けても虫に刺された程度にも効かず、一撃で完膚なきまでに殲滅していく。いっそ笑える程に圧倒的な無双の蹂躙劇が楽しめる。

 

そして、今巻のメインとなるのはアリエッタの更なる成長である。

 

初めて目の前に現れた自分と同等の実力者。彼女との戦いに賭けるは最愛の存在である師匠の身柄。

 

だからこそ。だからこそ本気で戦える。何処までも全力で、自分の全てを賭けて戦える。

 

「・・・・・・私が、読み間違えるだと」

 

そして、全力で戦うからこそ圧倒的な不利も跳ね除けて、テオが驚くほどに限界を超えていけるのである。

 

物語の裏で着々と進み、迫る魔王の復活。しかし魔王もテオにとってはどこ吹く風。だからこそきっと、心配する必要はないのかもしれない。

 

寧ろ気になるのはテオを巡るラブコメの方であろう。何せフレアというあらゆる意味で強力な恋敵が側に現れたので。

 

前巻を経て本格的に始まる今巻。面白さはそのままに更に上がっているので、前巻を楽しまれた読者様は是非。今から読むという読者様も是非。きっと楽しめる筈である。

 

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