読書感想:『ラブコメ文芸部』と美少女問題児たちとボッチな俺

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様、一つお聞きしたい次第であるが、貴方には何だかんだと仲が良くてお互いに高め合える、好敵手みたいな友達っているだろうか。・・・何故こんな事を聞くのかって? それはこの作品の感想を語る上で重要だからである。

 

主人公、春人(表紙左)は読書好きで孤独を謳歌する少年である。しかし、彼は小説投稿サイトで大人気の投稿者である。ヒロインである美夏(表紙右)は彼の作品が大好きで、ラブコメをこよなく愛する読者である。

 

投稿者と読者。一番近くて一番遠い二人は、転びそうな所を助けたら押し倒されたという、いっそ笑える程にベタな出会いの後に何をしたか。答えは、二人は「ラブコメ文芸部」なる謎の部活動を立ち上げたのである。

 

では何故、こんな部活を立ち上げたのか。それは美夏がラブコメを書きたいと願ったから。だからこそ、実地体験から創作のネタを探し、執筆に生かす為に部活を作ったのだ。

 

勘のいい読者様であればもう分かっていただけているだろうか。そう、この時点で主人公とヒロインはいる。ならば後は何が必要か? それは友人であり、好敵手である。

 

その足りない欠片を補うかのように集合するのは個性的で魅力溢れる美少女達。

 

小説を書くのが趣味な大企業の令嬢、悠香。春人をストーキングするヤンデレな後輩、咲月。そして売れっ子ラノベ作家な春人のいとこ、流里。

 

そう、ここに集ったのは友人、好敵手、そして主人公とヒロイン。正にラブコメに必要な因子の数々。

 

疑似デートをしたり、皆でゲームをしたり。時に美夏の顔バレという危機に皆で立ち向かったり。

 

そんな賑やかで楽しい日々の中、二人の物語は研ぎ澄まされ、切磋琢磨し研磨されより光る物語へと昇華していき、比例するかのように二人の関係もまた、少しずつ近づいていく。

 

「・・・・・・誰かのために喜べるって、本当にいいことだなぁ」

 

彼が辿り着いた真理を見るがよい。そう、確かに一人で作品は作れる。だけど絡み合い支え合える人がいるからこそ、殻を破れた。そして確かに変われたのである。

 

この作品は創作のお話だ。だがそれ以前にラブコメだ。そしてラブコメという命題に真っ直ぐに向き合い丁寧に一つ一つ積み重ねているからこそ王道に面白いお話となっているのである。

 

ブコメ好きな読者様は是非。きっと満足できるはずである。

 

どうかまた、彼等の物語の続きに出会えますように。

 

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