読書感想:うちの家庭教師がグイグイきすぎて勉強どころじゃない!

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突然ではあるが画面の前の読者の皆様、大学入学模試でD判定以下を取ったことがある読者様は恥ずかしがらずに挙手してみてください。是非ともその後どうなったのかを知りたいので。

 

さて、この作品の主人公である隼人君はD判定どころかE判定を取ってしまった、受験に悩む少年である。受験生と言う微妙なお年頃、皆様も一度は経験があられるのではないだろうか。何かに些細な事にイラついてしまった事はないだろうか。

 

そんな微妙な年頃の少年の心を全力で弄ぶ、というより全力で心の上でタップダンス踊り地雷を次々と踏み抜くような暴挙をやらかしているのが、隼人君の母親の教え子である真琴(表紙)である。

 

家庭教師と聞くと、画面の前の読者の皆様はどんな教え方を思い浮かべるだろうか。一対一のみっちりとした教え方を想像されるだろうか。

 

が、真琴にはそんな常識が何も通用しない。寧ろ彼女は本当に家庭教師かと疑わしい言動と行動を常にとっている。

 

どこの家庭教師が、勉強している受験生の横で大声を上げながらゲームをするのか。

 

どんな家庭教師が、思春期男子の性の心に突き刺さってくるような薄着な格好を平気でするのか。

 

一体どんな家庭教師なら、教えるどころか応援するという頓珍漢な事をやらかすのか。

 

なのに何故、ウザいけれど本当の意味でウザくないのか。それはそれこそが彼女の教え方であり、根底にあるのが失敗した記憶だからである。

 

「頑張れ」。この一言は確かに大切である。だけど、時にこの一言が何処までも重い事がある。

 

それを知っているからこそ彼女は、敢えてウザく振る舞って心の壁をこれでもかと打ち壊し、反目させてやる気を引き出させる、敢えて憎まれ役を演じているのである。

 

「じゃ、始めましょうか!」

 

全てを知った時、彼女のこの一言がきっと、心強く聞こえる筈である。

 

ウザくて可愛いお姉さまにからかわれたい読者様は是非。きっと満足できるはずである。

 

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