読書感想:禁忌異能者の訳あり学園生活 1.相棒は落ちこぼれ炎妖精

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突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方は何か大切にしている心の芯はあるであろうか。あるのならば、貴方の譲れないことは何であろうか。

 

神霊と組んで心を通わせ、未知なる化物を討伐する職業、異能士。その卵たちが通う学園に入学した少年、要(表紙左)。彼が召喚した神霊、炎妖精であるリリアス(表紙右)。

 

この二人はコンビである。そして、落ちこぼれである。

 

要は自らの異能をとある理由から禁呪で封じ、本来の力を出せぬ異能士の卵である。

 

そしてリリアスは、炎妖精であるにも関わらず炎が出せぬ落ちこぼれである。

 

普通に考えれば致命的な欠陥、本当に使いものになるのが怪しいこの二人。

 

だがしかし。諦められない心の芯があるからこそ二人は共に上を目指していく。

 

「そのすべてを一瞬で帳消しにする「魔法」がこの世界には存在するんだ」

 

家族にけなされ思い悩むリリアスの心、その芯に立つ魔法へと要の言葉は変わり。

 

「できるさ」

 

「信じてる」

 

信じてくれたからこそ、目覚める奇跡の力があって。

 

「約束だよ。絶対負けないで」

 

そして要は、信じて託された想いがあるからこそ禁忌の力を解放する。

 

この作品に登場する誰もが、心に譲れぬ想いを抱えている。そして、その想いを抱えて普通になれぬ枷を抱えながらもそれを良しとし我が道を突き進んでいく。

 

そう、この作品は普通になれぬ者達が無理に迎合しようとするのではなく、自分の普通ではない部分をそのまま、丸ごと抱えて自分にしか出来ぬやり方で道を突き進んでいく。そんな不器用で不格好、だけど真っ直ぐな格好良さが満ちている、心のど真ん中を燃やしてくれる熱い作品なのである。

 

心に何か燃やしてほしい火種がある読者様、心が躍り燃える熱いバトルが読みたい読者様は是非。きっとお楽しみいただける筈である。

 

 

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