読書感想:JKマンガ家の津布楽さんは俺がいないとラブコメが描けない

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突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方は何かに踏み出せぬ臆病な部分はあったりするであろうか。一歩踏み出せぬもどかしい思いをしたことはあるだろうか。

 

そういう、あと一歩が踏み出せぬもどかしい関係であるのがこの作品の主人公、静真(表紙右奥)とヒロインである紅羽(表紙中央)である。

 

映画オタクの陰キャである静真がこっそりと書き溜めていたラブコメ映画のアイデアを書き綴ったノート。それを見てしまった紅羽。

 

が、しかし。彼女にも同人BL作家という裏の顔があり譲れぬ夢があったのである。

 

一般向けのラブコメに挑戦してみたい、君と目指したい頂がある。静真を巻き込み、ラブコメの参考にするために疑似的な恋人関係になってみたりして。

 

そんな二人の心の中にあったのは両片思い、つまりはお互いの事が好きという只一つの思いなのだ。

 

だけど踏み出せない。何故なら二人ともに臆病だから。今この時間が続いてほしいと願って、自分の心に答えを出す事から逃げてきた臆病な二人だったから。

 

そんな二人の背を押すのが周りにいた彼等の友達達であり、彼等彼女等が時に厳しく、時に優しく背を押してくれて、お互いがお互いの気持ちと向かい合って。

 

「わたし、嘘つきなんだ」

 

「おれもずっと見てた」

 

お互いの隠し切れないまでに育った心をぶつけ合って。

 

「好きすぎて辛いよ」

 

「紅羽の全てが大好きだ」

 

やっと素直に心の想いをぶつけ合って結ばれて。

 

青春は遠回りで空回り。そんな一つの青春の究極形のようなこの作品。

 

真っ直ぐなラブコメが好きな読者様、ヒロイン争いが存在しないラブコメが好きな読者様は是非。きっとお楽しみいただける筈である。

 

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