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読書感想:私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない (2) - 読樹庵
さて、兄は性転換して姉になり、妹は大きなイチモツが生えて、姉は実験の影響でロリ。言葉にしてしまうとやっぱりどういう事なのだろう、という状況である現八隅三姉妹。前巻で何故か姉である夕子がでっかくなった、という所から今巻は始まる訳であるが。前巻まで巻き起こっていたカオスは少しは収まるのか、というと。当然収まる訳もないのである。
「ワタシの彼女にしてやってもいいぞっ!」
前巻、大きくなった、というより言うなれば千秋と同年代の姿に戻った夕子。彼女の言葉に胸を撃ち抜かれる感覚を覚えスキンシップを敢行するも、そう言えば何で夕子相手には気安く出来るのかと考えて見れど答えは出ず。その状況を楓に目撃され、やはり彼女の股間にイチモツが生えてしまい。千秋が勝手にするのなら、自分も勝手にするという宣言を突き付けられ、一先ずは日常へ。
「恋愛実験をするためにムード作りをするって話じゃないの!?」
夕子とも恋愛実験をしてみることになり、楓とメイがムードのお邪魔になるので、夕子制作のマシーンに捕まってしまい、彼女からの色仕掛け?を受けることに。最初は刺激としては微弱なものであったが、どんどんと事態はドキドキを深めていって、危うく夕子に陥落しそうになった所で、何故か彼女は今まで通りの姿に戻ってしまう。その後深夜に楓からの夜這いを受け、千秋を手に入れる為に少し条件を緩和する、と一方的に宣言される。
「「「男の彼氏を作ってそう」」」
だが、慣れというのは恐ろしいものなのか。それぞれ切り札は持つも切り札故に容易く切る事は出来ず、恋愛戦線は膠着状態。その中で楓たち三人が危惧するのは、千秋の性的嗜好の変化。 女よりも男が好きになっているのではないか。その危惧を感じ、提案されるのは夏休み、江ノ島での四人での恋愛実験。
無論、それだけでは今まで通り、であっただろう。だが、夕子が用意した二つの薬、女の子に戻る薬と男の子に戻る薬が鬼札となる。何処で使うのか、それぞれが隙を伺いながらも。サンオイルを塗り合ったり、千秋が一人入浴中に残りの三人が乱入して来たり。
「きみを誰かに渡すくらいなら、再び呪われた方がマシです」
その中、炸裂するのは楓、メインヒロインの意思。千秋を誰かに、例え夕子にであっても渡すのは嫌なので、渡すくらいなら自ら呪われてもやるという一種凄絶なまでの決意。その決意、心が揺れて、自分の想いを叫ばされて。爆心地で燃え盛る思いを抱えたまま、まだ恋は続くのだ。
カオスとドタバタが一種極まる今巻、シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: 私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない(3) (電撃文庫) : 伏見 つかさ, かんざき ひろ: 本