前巻感想はこちら↓
さて、前巻で出会いと惹かれ合うようになったエピソードが明かされて、ご存じのとおり今はラブラブな夫婦である狼士と律花であるが。今巻からはこれまで通り舞台は現在へ戻ってくる訳で、夫婦としてより仲良くなり、当然その先まで求めていくことになる訳であるが。夫婦であっても中々に大変、という訳で今巻のお話は始まるのである。
「だってろうくんのはウインナーではないから・・・・・・。 フランクフルトだから・・・・・・」
夫婦として求めるのは何か、つまりはこれ以上の繋がり、平たく言ってしまえば初夜。しかし一線を越える為に準備万端、という所で狼士のナニの大きさに律花が怯える結果となってしまい。実は狼士の会社の製造課主任、かつては武装開発のエキスパートだった千雨音との初遭遇もあったりしつつ。
『イカれた会話にゃ・・・・・・』
迫ってくるのは十二月、そして聖夜。そこへ向けて決意する、一つになって見せると。 隣で見ていたにゃん吉に呆れられたりしつつも。律花が会社に属する産業カウンセラー、璃に相談したり。問題的には律花の恐怖心であるために。にゃん吉を定期検診のために病院へ連れて行ったりしつつ、どうにかして恐怖心を克服できないか、と模索する。
そんな中、動物病院で出会ったのは、九官鳥を連れてきていた璃と、その彼氏でありヒモなパチカスの耀太郎。握手してどうも一般人ではないと感じ、更には彼もにゃん吉の言葉を理解していて。しかし、意外と獣っぽい部分がある同士だからか、割と共鳴し合って。共にパチンコに行ったりして男同士、女同士で友情を築いていく。
そんな彼女や、虎地たちにも支えられ。まずは混浴、とほんの少しずつではあるが歩き出して聖夜へ向けての準備を整えていく。
「そうか。本気なんだな?」
「冗談にしちゃタチ悪ィだろ。本気だ」
が、しかし。前日、イブの日に待ち受けるのは律花を狙う思い。それは組織の関係、と言う訳でも残された因縁、という訳でもない。そこにあるのは確かな愛。彼女の事を守る為に、例え自分の命も含めてすべてをなげうって、誰かの操り人形になるとしても。
「―――ふたりでいっしょに、確かめあいたい」
そこにあったのは確かな愛、それを殺そうとした、自分と律花を守る為。それは正しい事なのか、そして戦いの中で見つめるのは自分の弱さ。だけどそれでもいい、と奇跡だったとしても、と確かめ合う様に。聖夜、やっと一線を越えるのである。
世界観も広がり新たな脅威らしきものも顔を出す中、より愛が深まる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。