読書感想:妹が女騎士学園に入学したらなぜか救国の英雄になりました。ぼくが。6

 

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読書感想:妹が女騎士学園に入学したらなぜか救国の英雄になりました。ぼくが。5 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、兄さんも無双もガンガン突き進んで早くも六巻、そしてこの巻の表紙を見て欲しい。スズハ、ユズリハ、トーコの三人がウェディングドレスである。世界観的に実の兄妹って結婚OKだったのかしら、というふとした疑問はともかく。あいにくと私は完結かそうでないかは調べている訳ではないので何とも言える訳ではないが。ウェディングドレス、というのはラブコメにおいては一つの区切りとなるものな訳で。その例に漏れず、今巻では遷都の先に様々なイベントが起きていく巻なのである。

 

 

「あいつらみんな、ボクへの挨拶なんてものはただの名目だから」

 

前巻の最後、トーコによる遷都は無事に成功し、彼女が兄さんの居城のお隣さんになり。遷都とそれに伴う王城の引っ越しをお祝いする他国の使節の謁見に兄さんが付き合わされる日々。使節の目的は兄さんへの謁見、という本音にやっぱり本人は気づいてはいない中。ユズリハの成人の儀式に参加する前に、旧王都で起きている幽霊事件を解決するためにいつもの面子で向かってみることに。

 

「もっと別のナニカが埋まってるんじゃないかって」

 

しかし兄さんが歩けばどうなるかはもう皆様、お分かりであろう。そう、伝説を作っていくのである。 王城地下の亡霊退治は簡単、其処に感じるふとした違和感。その違和感のままに見つけたのは、王城地下、地下墓地の下にある巨大な空洞。

 

「―――いや、やっぱ二つともスズハ兄が持ってて」

 

そこで発見したのは、強大なスケルトン。しかし兄さんに掛かれば一撃必殺。戦利品である大剣と宝石をトーコに献上したら、それはどうも王家に伝わる伝承、楽園に合ったものではないかと言う話になり。トーコの言葉でスズハ兄の手元に置かれる事に。

 

「まさか当家の英霊にまで、その存在を認めさせるか・・・・・・!」

 

更に、ユズリハの実家、そのお墓で出会ったのは、伝説の十四代当主、その英霊。そうとは知らず、いつの間にか認められ。ユズリハとアーサーは、その結果に思わずジト目に。

 

さて、今巻における冒険はここからだ。貴族の女性は成人式や結婚式のドレスに気を遣う、という話を聞き。兄さんが思い立ったのは、至高のウェディングドレスの生地を贈ろうというもの。エルフの集落や聖国、メイドの谷からドワーフの里まで。兄さんが手加減が苦手という事実に特訓したり、メイドの谷でやっぱり組み手になったり、ドワーフの国で酒クズ共にお願いされたり。 その中で作っていくのは、ミスリルを加工した布地。豪奢な色にきらめくそれは、正にすべての貴族垂涎のもの。

 

「そりゃ当然、スズハ兄の国王就任式でしょ」

 

それは全て、スズハやユズリハ、トーコ達ヒロイン達のウェディングドレスへと加工され、兄さんの知らぬ間に、何故か兄さんが国王になることになっていて。後に大兄大陸、と呼ばれる平和な大陸への一歩の幕開けとなるのである。

 

一つの区切りにドタバタに駆け込む今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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